第18章 劣等感
大我のせいで青峰君とキスできなかった。
来てもいいけどあとちょっとだけ遅く来てくれればよかったのに…
「しょうがねぇな。ネロのトイレ連れてくなら食わせてやってもいいぜ」
「はぁ?お前作ってねぇだろ」
ネロ君はいつも遊んでくれる大我が好きらしくて今もすっごく嬉しそうに大我の足元でパタパタしっぽを振ってる。
「急に来たんだからお手伝いしてよ。働かない人にご飯はないの」
「青峰は何手伝うんだよ」
「青峰君はネロ君のご飯用意するの」
すぐに食べるか分からないけど(笑)
まだあたしはネロ君のご飯の用意の仕方を知らないからついでに教えてほしかったしネロ君の鶏肉があるよってことを青峰君にも伝えたかった。
それに…青峰君と朝のキスしたいんだもん
してくれるか分からないけど…
大我とネロ君を見送って玄関が閉まるとすぐに腰を引き寄せられてあっという間に唇が重なった。
「んっ…まって…」
「待てねぇ」
抱きしめられて少し噛みつくようなキスなのに痛みも怖さも何もなくてただただ心地いい。
たまに唇をぺろってされて腰に力が入らなくなる
「っはぁ…んっ…も…だめっ」
「もう一回だけ…いいだろ」
そんな優しく言われたらダメなんて言えない…
役に立たない自分の腰はどうにもならないから青峰君にしっかり捕まって最後のキスをしたけど今までよりも優しいキスに全身の力が抜けてしまった…
ズルズルとその場に座り込もうとするあたしを支えてそのまま抱き上げてくれた
「大丈夫か?」
キスが気持ちよくて立てなくなるなんて…
恥ずかしすぎ…
とにかく顔を見られたくなくて両手で隠して頷いて大丈夫ってことを伝えるとソファに下してぎゅっとしてくれた。
「ごめん。やりすぎた」
「違うの。嫌とか怖いとかじゃなくて…こんなの初めてだから…慣れなくて…立ってるのむり…なの…」
青峰君はいつもあたしに合わせてゆっくり進んでくれるから怖いんじゃないってことをちゃんと伝えたかった。
「でも…キスしてもらうのホントに…好き」
恥ずかしいって思っても言わなきゃ伝わらない時もきっとある。
朝から何言ってるのって感じだけど嫌だったんだって思わせたくなかった。