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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


side青峰


「朝ごはん作ったら起こしに来ます」


小さく声が聞こえて腕からみさきが抜け出すのを感じた。


黙っていなくなってはねぇし、みさきの朝飯とかすげぇ嬉しい




指を鳴らしてネロを呼ぶと俺の方にちゃんと来るから、撫でてやると嬉しそうにしっぽ振って喜んでる。

みさきに起きてることを悟らせねぇようにネロと遊んで、みさきの行動に耳を集中させた。


どんな風に俺を起こすのか知りたかった。


パタパタ歩き回る音と食器を用意するような音で、そろそろ飯ができるんだと思ってネロを寝床に行かせて、俺もベッドに戻ると予想通りドア開いてみさきがベッドに近づいてきた。


ラグの前でスリッパを脱ぐことは知ってた。
だからみさきが俺を起こしてくれた時そのまま抱き寄せた。


いい。


やっぱみさきの体はすげぇぴったりはまる。



朝から最高だ。


開いたドアの奥からはみさきの作ってくれた朝飯の匂いがして、すぐそばにはみさきの匂い。


みさきがこんな近くにいんだからキスするに決まってる


みさきの高い鼻を俺のでつつくとみさきの口元が笑ってキスができるはずだった



なのにどっかのバカが朝から来たせいでキスし損ねた


嫌々みさきを解放するとパタパタリビングに行ってモニターを見ただけで話すことなく玄関に向かった



聞こえたその声にネロと俺が正反対のリアクションをした



大喜びで部屋を出るネロとベッドに座ってマジでテンション下がる俺


『おい‼落ち着け‼久しぶりだな』

…そうなるよな。


「来るなら先に言ってよ‼」

「電話出ねぇから寝てんのかと思ってランニングがてら起こしに来たんだよ。リハビリ初日に寝坊はダメだろ?」

「寝坊なんてしないよ。どうせ朝ご飯食べに来たんでしょ」



廊下から聞こえる、徐々にでかくなる声を聞きながら、俺もベッドを降りて部屋を出ると別に会いたくなくてもいつでも会うことになる奴

「よう」

「何しに来たんだよ」

「飯食いに。俺昨日買い物してねぇから食うもん何もねぇしマジ腹減った」


ふざけんな…
前の日ヤリまくって昨日寝てた自分が悪りぃんだろ⁉
俺とみさきの朝飯邪魔すんなよ


「みさきが作ってなかったらどうすんだよ」

「それはねぇな。みさきは朝外食なんて滅多にねぇし」


チッ…何でも知ってやがって腹立つな
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