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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


青峰君と離れたくなくて一緒に行くとか…
そんなに一緒にいたら青峰君だって息つまっちゃうよね

あたし…最近変。

あたしってこんなに甘えただった?
いつからこんなに人恋しくなったの?

人恋しい…じゃない。

青峰君恋しい。

だって一緒にいてくれるなら誰でもいいとは思えなくて青峰君と一緒にいたい



自分のスペースに落ち着いたネロ君の横にしゃがんで撫でるとすごくあったかい。


『青峰君ってすごく優しいよね。ネロ君は青峰君大好きでしょ?あたしも大好きなの』


青峰君に言うには結構恥ずかしくて勇気がいるけど、ネロ君なら聞いてくれるし青峰君にもばらさないからどんどん心の声が漏れていく。


『もうね今まで出会った人の中で一番かっこいいの。今までクルーニーが一番かっこいいと思ってたけど青峰君の方がかっこいいね。世界で一番かっこいい。ネロ君もそう思うでしょ?』


あたしがそう聞くと大きな耳がピクリと動いて、同意してくれてるように感じた。

少しだけ眠そうであんまりしつこくしたら嫌かなって思ったから最後に胸元を撫でて離れるとあの子犬のクッションに顎を乗せてつぶらな瞳をゆっくりとしばたかせてた。


青峰君が戻ってきたら一緒に何か飲みたくて、あたしはいつも通り紅茶にするからお湯を沸かし始めると、少し物音がしてリビングの扉が開くのが分かった

丁度茶葉を選んでたからリビングに背を向けてて見えないけど青峰君だってことは確かだった


「忘れ物あった?」

「あぁ」


今日はこれにしよ


選んだのはイモータルモーメントティー

直訳すると“不死の瞬間”

ちょっといい感じに言い換えれば永久になくならない瞬間って意味

イタリアに出張した時、自分用に買ったあたしの持ってる紅茶の中でも一番高価で今日初めて開封する

付き合った直後にあたしの手術があって、二人で何も気にせずに過ごせるのは今日が初めてだった

だからこの先どんなことがあっても今日って日はあたしの中に永遠に残る大切な日
長い人生の中で今日この一日って言うのはほんの一瞬なのかもしれないけど、あたしにとってはすごく大切な瞬間だって思うから

選んだ紅茶の缶からシールを外してキッチンから出たあたしの目に入ったのは…










一度だけ手にしたことのある







大きなショップバッグだった
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