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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


side青峰

ネロが落ち着いたとこでみさきの退院祝いを車に取りに行くことにした。


「車に忘れもんしちまったからちょっと取ってくる」

「あ、じゃあちょっと待って」


みさきに引き留められて何かと思えば寝室に入って行ってすぐに出てきた。


「あの、これ…うちの鍵なんだけど、時間合わないときもあると思うし、オートロックだし持ってたほうがいいかなって…嫌なら無理にってことじゃないんだけど、あった方が便利だと思って…そのっ…」

すっげぇ早口。
手に持ってる鍵いじくりまわして目も合せずに捲し立てて、ちょっと横向いてて顔真っ赤


渡す側なのにどんだけ照れてんだよ


可愛すぎだ


鍵を持った手を軽く握って引き寄せるとあっという間に俺に収まった。


「返さねぇかも」

「うん。貰ってくれるかな…?」


貰うだろ。

すげぇ嬉しい。

火神とお互いに家の鍵を渡しあってんのは知ってて、こいつらはお互いにすげぇ信頼し合ってるし、他意はねぇって分かっててもなんとなく妬けた。

だからみさきが鍵を渡してくれたのは、俺を信じてくれてるって感じがしてすげぇ嬉しかった。


体を離してみさきから受け取った鍵をキーケースに付けると勝手に口元が緩んだ。


「ありがとな」

「こちらこそありがとう。引き留めてごめんね」


キーケースに付けるのを見て少し笑ったみさきの頭を撫でると、俺を見て猫みてぇに目を細めて笑って下唇を緩く噛んで照れててすげぇ可愛い。

腰を引き寄せてもう一度密着してキスを落とすと、みさきも俺に手を回してくれた。



マジで離れたくなくなる。


けど退院祝いは今日渡しときてぇ。


名残惜しい気持ちを抑え込んでみさきを離した。


「あたしも駐車場行く」

誘惑すんな。
一緒に行きたくなんだろ…

「ネロが一人になっちまうから悪りぃけど一緒にいてやってくんね?」

「あ、そっか。ごめん…」

「悪りぃな」


サプライズなんて柄でもねぇけど、物欲のねぇみさきには普通に渡すよりそうした方が覚えててくれる気がした。

多分みさきは何を貰っても大事にするけど、もらった時少しでも特徴があった方が思い出になる気がして、何年か経ったとき一緒に思い出して話せたらすげぇ楽しそうだと思った

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