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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


ネロ君の荷物を持って先に部屋に入ると、さっきまで寝させてもらえたお陰で随分とすっきりした。

あんまり長く寝てしまうと起きるのが大変だけど、少しの睡眠は頭もすっきりして体も軽くなる。


みんなからもらった物を整理してから、ネロ君の為のスペースを作ると丁度チャイムが鳴った。


モニターを見ると予想通り青峰君で、玄関を開けるとネロ君がキョロキョロと周りを見て様子をうかがってたけど、あたしを忘れてなかったのか嫌がらずに家に入ってくれた。


青峰君がネロ君のリードを外すと恐る恐る歩き回り始めて、家中を探索し始めた。
好きなだけやらせてあげればきっと家を覚えてくれるし落ち着いてくれると思ったから、メイクの部屋だけを閉めて後は全部開けておいた。


『キッチンは入るな』


キッチンは食べ物があるせいか、鼻のいいネロ君には結構な誘惑があるはずなのに青峰君に言われるとすぐに方向転換して広い方に戻って来てくれる


「すっごいおりこうさん」

「子犬の時からしつけはしてたし、元々賢いから言うことは結構分かってるっぽい。日本語だとたまに理解できねぇって感じだけどな」

やっぱり犬にも母国語的なのあるんだ…
セルジオは基本的に日本語で話しかけるけど、あんまり言うこと聞かない

しかもあれは絶対分かってて聞いてない。


寝室に入って行ってしばらくすると、キャリーから出してベッドに置いてあったあの犬の抱き枕を咥えて出てきた。


『ネロ!それお前のじゃねぇだろ!何やってんだ‼』

青峰君に怒られてすぐに離してあたしの傍で可愛い顔して座ってる。

『みさきに甘えたってダメだ。自分のあんだろ』

「そんなに怒らないで。まだ慣れてないのに怒ったら可哀想」

「最初が肝心なんだよ。最初に甘やかすと何度でもやらかすから最初に叱って覚えさせれば必要以上に怒らなくてもちゃんと覚える」


そうなんだ。
犬って飼ったことないからしつけとか全然分からないけど、ここは青峰君の言う通りにしよう。

それにネロ君も自分が悪いって分かってる気がする。


怒られた後はもうあたしの抱き枕には全く近づかず、探索を終えると自分の抱き枕を大事に隣に置いて寝てた。

それに、あたしが最初にあげたタオルがクタクタになってるのに、それもまだ使ってくれてた。


新しいのあげよ
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