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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


side青峰

飯食って店を出ると全員がそれぞれ車できててその場で解散になった。

火神は赤司から車付きで部屋を借りたとか言ってて嫌味なくれぇピッカピカの車に乗って帰っていった。


「実家寄ってネロ連れてくけど、このまま寄ってもいいか?」

「うん。もちろん」


1回みさきをマンションにおいてからでもよかったけど、少しの時間でも別行動すんのが嫌だった。



「ごちそうさまでした」

「うまかったか?」

「うん!すごく美味しかった」


あー可愛い。

今日はみさき的にはウナギがはまったらしく、何回か頼んで食ってて他の寿司も割と食ってたから、ちゃんと食えてることに安心した。


抱きしめた感じ退院した後のガリガリな感じはねぇけど、筋肉が落ちてすげぇ華奢になっちまってて、ある程度量を食わねぇとリハビリに耐えられねぇ気がした。


太るのをやめるなら、病気じゃねぇ限り食う量をコントロールして、食事の糖質を減らせばいいからそんな難しいってわけじゃねぇけど、痩せるのを止めんのは体質の問題なら結構難しい。


「眠そうだな。少し寝ろ」

「ちょっとだけ眠いけど起きてる」


実家に向けて車を走らせると、眠そうにするみさきがいつものように寝るのを拒んでるから勝手にシートを少し倒した



眠そうにしてるみさきを赤信号で撫でるとトロンとした目が俺の目を捉えた。





はぁ…


マジで我慢できねぇ…



ギアをパーキングに入れて一瞬触れるキスをすると、照れてんのか口に手を当てて窓の方に顔を向けながら少し下を向いてる。


初めてする訳でもねぇのに反応がめちゃくちゃ新鮮だった。


「…ん…車なのに…」

「暗くて誰からも見えてねぇ」


そういうことか…

そういや、付き合ってから俺が運転して車乗るの今日が初めてだな


いつもはキスしたくても我慢してた。

付き合ってもねぇし俺が好きだとも言ってねぇ状態でキスしたら、みさきは二度と会ってくれねぇ気がしてできなかった。

多分俺の勘は間違ってねぇ。

先にキスなんてしてたら俺を好きではいてくれなかった。
そっちが目的だと思われて間違いなくみさきを怖がらせた


信号が青に変わってギアをドライブに入れて、見慣れた道を走ると、毎日送り迎えしても手を出さずに我慢した自分を少しだけ褒めてやれると思えた。
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