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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


最近あたしは前よりもたくさん泣いてる。


だけど苦しいとか辛いとかじゃなくて、嬉しいとか寂しいとか今までは泣かないようなことで泣くようになった。



「お前マジで泣き虫だな」

「もう!大我は黙ってて」


呆れてるのか分からないけど、それでも笑って言ってくれる大我もあたしに小さめのコスメメゾンの袋を渡してくれた。


「ハンナと俺から。手術よく頑張ったな」


急に優しく言わないでよ…また泣いちゃう…


涙を誤魔化すようにもらった袋を開くとLAの店舗限定で発売されてたけどすぐに完売だったから買えなかった美容オイルとマスクのセットだった


「これどうやって買ったの⁉」

「どうやってって…店で」

「完売だったでしょ⁉」

「知らねぇ。たまたまハンナといった時お前が好きそうだなっつったらハンナが予約してくれてた」


こういう時幼馴染のすごさを思い知る。
大我なんてコスメとは無縁の生活なのにちゃんとあたしの好きなものを分かってくれてて、ストライクなものをプレゼントしてくれる。


「ありがとう。これで美しくなるね」

「いや、造形は変わらねぇだろ(笑)」


あ…今のすっごいムカつく。
でも今日は許しちゃう。

ずっとずっとあたしを支えてくれて本当にありがとう。
最近ちょっと意地悪になったけどずっとあたしの片割れで大好きな幼馴染だよ。




「みんな本当に本当にありがとう。すごく嬉しいです」


「「「「「おかえり‼‼‼」」」」」


改めてみんなにお礼を言うと全員が声をそろえてあたしにお帰りって言ってくれて本当に嬉しかった

日本に来たばっかりの頃あたしは日本は仕事をする場所であって心が休まることはないと思ってた。

でも友達がいるってことでこんなにも楽しくて幸せになる。


「…てかさ、かがみんですらあるのに大ちゃんなんで何もないの?」

「はぁ?みさきはお前と違ってあれこれ欲しいって言わねぇから選ぶのも簡単じゃねぇんだよ」

「もうあたしもらいすぎだから…それに予定伸ばしてずっとLAにいてもらってこれ以上何かもらったら死ぬまでにお返ししきれなくなっちゃう」


「いいんだよー。大ちゃんなんてみさきと付き合えたってだけでちょー幸せ者なんだからお返しなんてしなくていいんだよ!」


幸せなのはあたしだよ

みんながいてくれてほんとに幸せだよ
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