第18章 劣等感
結局ちょこちょこといじられながら、手術のことやアメリカでのことをみんなに話して9月までにはしっかり歩けるようにこれからリハビリをするってことを伝えた。
「「はい。これ退院祝い。リハビリ頑張ってね」」
「え!開けていい?」
二人が小さめの袋を渡してくれて中を見ると運動の時に心拍数を測れる機能がついてるスマートウォッチ
「もらっていいの⁉」
「「もちろん!心拍数上げすぎないでね」」
「ありがとー‼」
もうすっごく嬉しい。
こういうの買おうかなって思ってたけど自分では機能とか分からないから得意な美緒に聞こうって思ってた。
「じゃあこれは、俺と黒子っちからッス」
「手術お疲れさまでした。青峰君と行ってください」
そう言って渡してくれた細長い封筒にはディナークルーズのチケット
「え、ほんとにいいの?」
「はい。青峰君は最初から黒須さんとしか行くつもりがなかったようなので、行ってあげてください」
「おい!テツ‼……バラすんじゃねぇよ」
「あーれ?青峰ッち照れてるんスか?」
黒子君の言った一言で、青峰君に言われた「最初から決めてた」って言葉が本当だったんだって実感してすごく嬉しかった。
「ありがとうございます」
「お二人は忙しいので有効期限は2年にしておきました」
「さすがテツ。サンキュ」
「俺は⁉俺だってちゃんと2年にしようって思ってたっすよ‼‼」
「あーはいはい。ありがとな」
「黄瀬君も、本当にありがとう」
退院と帰国はもちろんすごく嬉しかったけど、みんながこんな風にお祝いしてくれるって思わなくてすごく嬉しかった。
「あ、あとこれ。赤司がお前に渡せっておいてあった」
そう言って大我が渡してくれたのは、結構大きめの袋で、入ってきた時から何を持ってるのかは気になってたけど、まさか赤司さんからの預かりものだとは思わなかった。
袋を開けると中にはワインとバカラのワイングラスとカメリアの髪留め
ワインは真太郎と玲子先生
バカラのグラスは赤司さんとありささん
カメリアの髪留めは紫原さんとすみれさん
すごく嬉しくて涙が勝手に流れて止まらなくなった。
この人たちはどうしてこんなに優しいんだろう…
あたしは今まで泣くときはいつも辛くて苦しい時だった。
だから泣いたところを見られるのは大っ嫌いだった。