第18章 劣等感
青峰君にあのドーベルマンの意味がバレてもうほんとに恥ずかしすぎる。
手の甲に何度も優しくキスしてくれて恥ずかしいのに嬉しくてドキドキして眠ってしまいそうなくらい心地いい。
「お前の目…ウルウル」
だって青峰君がいっぱいキスするから泣いてる訳じゃなのに自然と涙が溜まっちゃうんだもん…
ウルウルなのは青峰君のせいだもん。
「だってっ…青峰君が…」
「俺が何?」
そんなに近くだと唇がくっついちゃいそう…
もう鼻は完全にくっついてて唇だってあと1㎝くらいしか離れてない。
青峰君のダダ洩れる色気であたしがおかしくなりそう。
「…いっぱいキスするから…」
「3週間も会ってねぇんだからこれじゃ全然足りねぇよ」
そう言ってぴったりと重なった唇から青峰君の温かい体温が伝わってくる。
抱きしめられたり、指を絡ませてくれたり、頬を撫でてくれたりするたびに触れられたところがあったかくて幸せで離れたくなくなる。
もう帰宅して1時間以上経ってるはずなのに荷ほどきもしてないし他の人に連絡もしてない。
このソファでひたすらキスをして抱きしめてもらって甘えてる。
もっと…
もっといっぱいキスしてほしい。
言えないくせに欲張りなあたしに何度も何度も与えられるキスはどんどんあたしを贅沢にする。
「ん…ぎゅして…」
あたしが唯一口に出せるお願い。
キスはすごくしてほしいけど恥ずかしすぎて言えない。
青峰君の長い脚に挟まれてそこに体を収めて長い腕に抱きしめられながらキスをするのがたまらなく好き
「少し、体戻ったな」
「分かる?」
「当たり前だろ。LAで最後に抱きしめた時マジで折れちまいそうですげぇ怖かった」
確かにあの時はすごく痩せてた。
だけど今は2キロくらい戻ったからあの時よりはちょっとマシ。
「抱き心地悪くてごめんね…」
「抱き心地は最高だ」
何それ(笑)
痩せててどこもかしこも柔らかくないあたしの抱き心地がいいなんて絶対ありえないのにぎゅってしてもらうのが幸せでその言葉がすごく嬉しい
「あたしも抱かれ心地最高です」
「はぁ……お前さ………わざとだろ…」
青峰君が言ってくれたからあたしも思ってることを言ったのに苦笑いされてそっぽ向かれちゃった…
言わない方がよかったのかな…