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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


車に乗ると大我がすごく眠そうで、だけどパパの言ってたハンナの件がどうなったのか気になって今聞かないと聞きそびれるような気がして聞いてみた。


「パパなんだって?」

「裁判所から接近禁止の命令が出てジェシカが直接ハンナに接触することはできねぇようになったってことと、接近禁止令が出たことでこっちが動いたのがジェシカにも知れたから一人で絶対出歩くなって事だった。警護は24時間つけてくれるけど、あの女はどんな手使うか分かったもんじゃねぇからマメに連絡取ってちょっとでもおかしなことがありゃすぐに言ってほしいっつーことだった」


いいこと半分悪いこと半分って感じだけど、ことが進展してるってことは解決には向かってる。

だけど今は離れてて大我もきっとハンナがすごく心配でたまらないんだと思う。

大我はそんなにポチポチスマホをいじる方ではないけど空港からずっとスマホを手に持ってるし…

「そっか。パパは本当は大我が日本に戻るまでに何とかしたいって思ってたらしいんだけど…やっぱり証言が中々取れないって言ってた」

「聞いてる。けどそのときいたメイクが責任を感じてて何かの役に立つかもってコテをそのまま捨てずにいてくれたから少なくとも物証はある」


コテが無ければ物証がないってことが心配だったけどそのメイクさんがとっておいてくれたことで証拠がないって事にはならないことが救いだった。


「しかも、その時のままにしてくれてたらしく過重暴行での立件もできそうだと」

コテは約200度

あれだけのやけどをさせたのならコテにはきっとハンナの皮膚も残っていたはずで…

陪審員が正しい判断をしてくれるように願ってる。


「ありがとな。お前がおじさんに言ってくれたおかげでハンナももう怯えなくて済む」


違うよ。
ハンナが恐怖に打ち勝って自分で話したからハンナは自分の力でこの先の安全と幸せを手に入れるんだよ。


朝帰りの上に機内でも寝てなかったんだと思われる大我は車に揺られながら目を閉じて寝息を立て始めた。

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