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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


「お前は寝なくて大丈夫か?」

「機内でいっぱい寝たから時差ボケも全然ないよ」

それに、せっかく会えたのに寝るなんてもったいない。


赤信号で止まるとハンドルに少し置いてる右手を離してあたしの頭を撫でてくれる。


「なんでキャップが火神とお揃いなんだよ」

「これね、ハンナがプレゼントしてくれたの。昨日のパーティーで二人はそのまま泊って着替えなくてホテル内で買ったんだって」


青峰君もお揃いだよって言いたかったけど渡す時に言った方がいいかなって思って黙っておくことにした。


「火神朝帰りかよ…笑。不良だな」

「でしょ?それにね、朝帰りしたのにその後もずっとハンナにくっついてて行きたくないとか言って子供みたいだったんだよ」


大我が寝てるのをいいことに青峰君に大我の幼児返りを話すとすっごい笑ってる。


「けど、分かる気もすんな。俺もお前と離れんのいつもすげーヤダ」

「えっ…」


なんでそんな優しい顔で突然そんなこと言うの⁉
なんて言っていいのか分からなくなっちゃう
もうほんとに青峰君はずるい…


顔が熱くなって言葉も繋げなくて恥ずかしくて手で顔を隠すと大きくて暖かい手があたしの頭を撫でてくれた。



結局家に着くまで爆睡してた大我を赤司さんのマンションで降ろして、1分もかからないあたしのマンションに到着した。


ブレーカーを上げてもらってガスを通して部屋を見渡すと、リビングのセンターテーブルにあたしの手書きの紙が置いてある。


やってほしいこと

マンションの解約(キャビネットに書類が揃ってる)

車の売却(大我が乗ってもいいよ)

生命保険会社への連絡(証券がキャビネットにあるので3社とも連絡してね)

パットにもらったバッグとヒールはママ

青峰君にもらったコートと時計とアクセサリーは青峰君のお母さん

青峰君にもらったドレスとヒールはあたし

さつきと美緒がくれたマフラーと大我のくれた手袋もあたし

あとはセルジオの写真も1枚とベッドルームのドーベルマン


クライアントへの連絡もお願いしたいんだけど連絡先はタブレットに入ってるし仕事用のスマホにも入ってる。

暗証番号はパットの誕生日


その他の物は全部譲ってもらうかお手数だけど処分してください。



これは、もういらないね。


だってあたしちゃんと戻ってこれたんだから。
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