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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


髪を少し巻いて薄くメイクをして準備はOK


向こうは深夜だから出発前は連絡するのはやめておいた。

ネロ君は耳がいいからスマホのバイブの音だってきっと起きちゃう。


離陸して向こうの日が昇るころにメッセージを入れることにして家を出発した。


空港までのこの道も何度も通っているのに今日は長く感じて空港が見えると思わず笑みがこぼれた。


『顔に出しすぎだっつーの』

『大我は言葉に出しすぎ』


だって大我は車に乗ってからずっと同じことを言ってる。

あー行きたくねぇ

早く帰りてぇ

さっさと仕事終わんねぇかな

ハンナも一緒に来いよ


ずっとこれだからママだって笑ってる。


『ねぇハンナ、ほんとに大我でいいの?なんかすっごい大我が幼児返りしてるように見えるんだけど…』

『タイガがいいの。だってこんなタイガって他の人は知らないでしょ?』

確かにそうかも。
あたしだって知らなかったんだからきっとママだって知らないしパパだって知らない。

親しいからこそ見せてくれる飾らない姿が嬉しいんだよね。


いいな…
あたしも青峰君のそういうとこちょっと見てみたい。
いつもかっこいい人がたまに甘えてくれたら、リラックスできてるのかなって思ってきっとすごく嬉しくなる。


『幼児返りしてんのはお前じゃねぇか。青峰にずっとくっついてんだろ。コアラかよ』

『くっついてない‼』

『『『くっついてる‼』』』


あたし…そんなにくっつきまわってる?

『でもミサキがそうやって甘えてるのってダイキだけでしょ?きっとダイキはすごく嬉しいって思ってるわ』

『あんなデレデレの青峰見せられるこっちの身にもなれよな』


そのセリフ、そのまま大我にお返しします。

あーーんなデレデレの大我見せられるあたしの身にもなってよね‼



でもいいの。

ずっとずっとあたしのお子守をしてたせいで自分のことを後回しにさせちゃったから、これからは幸せな大我をたくさん見たい。





空港について手続きを済ませてハグをする大我とハンナを横目にあたしとママもかるーいハグをした。

『また9月戻ってくる』

『ミサキ、タイガをよろしくね』

『ハンナ、出かけるときは必ず警護を連れて出ろよ。おばさん、ハンナのことよろしくな』

『もちろんよ』

『『いってらっしゃい』』

『『行ってきます』』
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