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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


結局あたしはお魚の頭を落とせなくてママに落としてもらって3枚下ろしを教わった。


ママはすごく上手に骨だけ残して綺麗な2枚の切り身を作ったけどあたしのお魚はたくさん骨に身が残ってて表面もボロボロでなんか既にぬるい…


「ママがやった方は冷凍して、今日はみさきのやったお魚を食べましょ」

「ごめんね。お手伝いのつもりが余計時間かかってるね…」

「初めはみんなそう。ママの初めてより上手よ」


そう言って慰めてくれるママは優しく笑って凍らせるお魚をラップに1枚ずつ包んでる。


骨についた身は全部スプーンで綺麗にとってつみれを作って骨で取ったお出汁でお吸い物に変わった。

本当は洋食になるはずだったけどあたしのお邪魔なお手伝いでちぐはぐなメニューになってしまった。


下手な3枚下ろしの半身はうろこをパリパリに焼いたあたしの大好きなうろこ焼きにしてもらって残りをマリネと小さめのお寿司にしてくれた。


「さ、食べましょ」

「うん!」


席について栓を抜いたシャンパンはあたしもママも大好きなベルエポックのロゼ


「おめでとう。よく頑張ったわ」

「ありがとう。ご心配おかけしました」


本当だったら菜の花と一緒にスープパスタになるはずだったけどあたしのへたっぴな3枚下ろしで汁物ができちゃったから今日はちょっと変な組み合わせ。

臨機応変にメニューを変えてもどれもすごく美味しくて組み合わせがおかしくても全然気にならない。


あたしもこうやってパパっと色々作れたらいいのにな…

お料理は練習あるのみ!


次はお魚の頭を落とせるように頑張ろ…


パリパリのうろこ焼きにナイフを入れて一口食べるとママの特製のソースがすごく美味しい。


「美味しい‼」

「今度は一人で作れそう?」

「頑張る」


作り方を教わったこのソースはアマダイじゃなくても白身のお魚ならなんだって合いそうで日本に帰ったらあたしも作ってみようと思って教わった。


久しぶりにママと二人で食事をしてママからの質問はもっぱら青峰君がらみ


「みさきは大輝君のどこが好きなの?」

「どこって…基本的に今知ってる部分で嫌いなとこはない」

「じゃあ全部大好きって事ね」


言ってない…
合ってるけど…


あー失敗した。
お酒に弱いママに3杯も飲ませるんじゃなかった。
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