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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


我ながら二人はいい出来で青峰君に二人の写真を送った。

(すごく仲良く出かけて行ったよ。ハンナがメイク喜んでくれた)

もう寝てるかなって思って送ったメッセージに返信が来たのは送ってすぐだった。

(火神デレデレじゃねぇかよ。ハンナ嬉しそうだな)

(あの二人はラブラブなの)

(それは知ってる笑)


メッセージのやり取りはいつも連絡事項が多くてこんな風に他愛ない話をするのは初めてだった。

あたしがメッセージがあんまり得意じゃないからいつもすぐに終わっちゃうけど今日は少しだけ続いた。


(遅くにごめんね。おやすみなさい)

(時間は気にしなくていい。おやすみ)


ホント優しい。
リハビリもトレーニングも大変なのにこんな夜中のあたしのメッセージに付き合ってくれて気にしなくていいって言ってくれる青峰君と早く時差を気にしない距離に行きたい。

会いたい

ぎゅってしてほしい

おでこにも頬にも唇にもたくさんキスをしてほしい


ラブラブな大我とハンナを見てたせいかあたしはいつもより青峰君に会いたくてしょうがない。


ご飯食べて、お風呂入って、寝て、起きて、用意して、飛行機乗って10時間のフライト。



長いな…
見送る前の2日間はあっという間だったのに、どうして今はこんなに長いんだろう


青峰君に会いたくて、もうすっかり青峰君の匂いがしなくなったあの犬をぎゅっとしてソファに寝転がるとセルジオが慰めてくれた。


そして聞こえたママの能天気な声

「みさきー!今日はちょっと乾杯しましょ‼」

「いいよー!でもちょっとだけね」

あたしはまだお酒禁止だし、久しぶりに会えるんだからフライト明けでもそれなりにきちんとしていたい。

「雰囲気で空けるだけよ」

「うん。何の乾杯?」

「みさきが元気になった乾杯と初めての彼氏の乾杯と記憶が戻った乾杯」

何それ、多すぎ

でも嬉しい

「お料理一緒にしよ」

「あら、珍しい」


いつもはママに誘われてお祝いの時だけ一緒にやるお料理だけど今日はあたしからお手伝いを言い出した。

少しでも上手になりたい。

手が商売道具だけど、お料理はできた方がいい。
巨乳になれないうちはお料理でカバーするんだもんね!


前にママに言われたことを思い出しておかしくなって少し笑うとママもなぜか笑ってて、久しぶりに二人でキッチンに立った。
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