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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


『綺麗な色』

『ハンナの肌の色と血色で選んだの。派手すぎないけどちゃんとパーティー仕様って思ってしてみたんだけど…どうかな?』

『ありがとう。すごく気に入った』



ヘアメイクを気に入ってくれたハンナと大我の場所を交換して大我の髪をセットし終わったところで丁度大我に連絡が入った。



『車、あと10分だって』

『じゃあ降りよっか』


長いドレスで慎重に階段を降りるハンナに大我が手を貸してあたしはハンナのバッグとヒール、大我の革靴を持って後ろについて階段を降りた。


うちの階段は大理石の螺旋だからなんかちょっと絵になる。



『あら、お姫様じゃない!』

『おかえりなさい』

『あ、ママおかえりー』

『おばさんおかえり。入れ違いになっちまうけど行ってくるわ』

帰ってきたママがハンナを見てパッと笑顔になったのはきっとハンナが綺麗で大我が嬉しそうだったから。

ママは3人のママ気分を味わえるのが楽しいみたい。

『気を付けてね。今日は子供が一人だけで寂しいわ』

『何言ってんの?笑』

元々ママの子供はこの3人ならあたしだけでしょ?


『大輝君もたいちゃんもハンナもみんなみさきと同じ可愛い子供みたいなのよ。気を付けて行ってらっしゃい。ごゆっくりね』

そう言ってママが大我におうちの鍵を渡すと丁度チャイムが鳴ってまだ靴を履いたままのママが玄関を開けると大我のエージェント。


『お久しぶりです』

『こちらこそお久しぶりです。手術されたとお聞きいたしましたが…体調は大丈夫でしょうか?』

『はい。おかげさまで、明日日本に戻ってリハビリと少しずつですが仕事を再開いたします』

『では、後程ご連絡を入れさせて下さい』

『よろしくお願い致します』


エージェントが連絡をくれるならきっと仕事絡み。
使いたいって思ってくれることが嬉しかった


靴を履くために置いてある椅子に座ったハンナに大我がヒールを履かせてあげて、二人が並んで立ち上がった


もうね、すっごくお似合い
今日だけは大我もイケてる


車を待たせていたけど、どうしても写真を撮りたくてスマホに一枚だけ撮らせてもらって、二人を車まで送ってハンナにバッグを渡すと運転手さんがドアを閉めてくれた


無駄に長い車が滑るように走り出して夜のLAに消えていくのを見送った


きっと今夜はいい夜になる
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