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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


side青峰

みさきは電話するとか言いながらあんまりしてこねぇ。

大体は俺からしてただけど、ちゃんと出てくれて話し始めりゃどんなことしたとか、どんな予定があるとか話して楽しそうに笑ったりすんのがすげぇ可愛い。

声を聞くだけでどんな表情をしてんのか大体予想できる。


しかも火神がすげぇ可愛いみさきの行動を教えてきた。


電話しようか迷って迷って、ハンナに俺が起きてると思うかとか、向こうは今何時くらいだけど電話したら迷惑じゃねぇかとか、俺と電話してたらネロが焼きもち妬かねぇかとか、いろいろ心配して電話に向かって俺からの電話が来るのを祈ってるらしい。

そんで電話が鳴るとすげぇ嬉しそうに出るし、電話がねぇと何度も深呼吸したり髪をいじくりまわしたりしながら、何分も俺の番号を表示させたり消したりして迷ってるらしい。


普通にしてこいっつっても俺のことすっげぇ考えてくれてしてこねぇんだって分かるとなんかいじらしいっつーか…


だからみさきが迷ってる時は火神かハンナに教えてもらって俺からかけてる。


俺が知っててかけてんのに電話が来ると『今日も念が通じた‼』とか言ってめちゃくちゃ喜んでるらしい。


すげぇ可愛い。
みさきが俺を好きでいてくれてんのが分かるとめちゃくちゃ嬉しくなる。


遠距離は大変だと思うやつもいるかもしれねぇけど、距離があるからこそ、常に相手の存在のデカさを実感して会えた時は毎回毎回愛しさが溢れ出す。



今日もきっと俺の番号を何度も出したり消したりしながら電話をくれたんだと思うと可愛くてしょうがねぇ。


「あ、ごめん。ハンナに呼ばれちゃったから最後の仕上げしてくるね」

「あぁ」

「また、連絡するね」

多分帰国の時間だけだろうな。

「愛してる」

「…大好き」

電話を切るときみさきと交わす最後の言葉はいつも同じ。

だけどこれは流れや習慣じゃねぇ


俺がいつもそう思ってるって本心を伝えてる。
みさきの返事も変わらねぇけど、照れてる感じが声に出てんのはみさきも本当にそう思ってくれてるからだって信じてる。

俺もみさきも思ってもねぇことを口に出せるほど器用じゃねぇし、そんな必要もねぇ。


やっと明日帰ってくる。

直行便で10時間だから明後日っつった方が正しいけど、どっちにしてももうすぐみさきを抱きしめられる
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