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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


「もしもし」

「あっ、もしもしっ…」

「どした?」


声が聞きたくて電話したから何を話すか決めてなくて言葉の切れたあたしに優しい声で聞き返しててくれた

「あの…えっとね、用事はないです」

結局言い訳できなくて全く可愛くないことを言うあたしに青峰君が少し笑ったのか聞こえた

呆れさせちゃった…?


「それでもいい。電話くれんのすげぇ嬉しい」

「あのね、…声が聞きたいなって思ってね、それで電話しちゃったの」


最初からそう言えばいいのに…あたしってなんでこんなに素直になれないんだろ

「俺も声聞きたかった。けど今日はハンナと火神の用意手伝うっつってたから忙しいんじゃねぇの?」

「さっきまでしてたけどもう終わったの。今日ってあの二人が付き合って1か月でしょ?だから少しでも二人にしてあげた方がいいかなって思って、あたしはリビングに降りてきたの」

「お前よく覚えてんな」

こういうの記憶しておくのは結構得意。
いっぱい使ってくれるクライアントさんの結婚記念日とかデビュー日とかは覚えていてお祝いをしたいって思ってるから記録もしてるし結構覚えてる


「得意なの」

「俺と会ったことは忘れて緑間の結婚記念日とか言うくせに得意なんだな」

「それとこれとは違うのっ…青峰君といると色々考えられなくなっちゃうだけだもん」

青峰君といるとその場が楽しくて幸せで何日とか何の日とか考えられない。

とにかく一緒にいられるその瞬間が貴重で大切なの。


青峰君と過ごせる日はいつだって特別で、出会った日も、付き合った日も、キスをした日も、愛してるって言ってくれた日も、あたしにとっては全部全部同じくらい特別な日。


「お前さぁ、会えねぇときにそういうこと言うのダメだろ」

「えっ⁉なんか変なこと言った?」

「いや、変っつーか…まぁいいわ」


なんかまた呆れさせた気がする…

「ごめんね」

「謝るなよ。別に悪い意味じゃねぇ。お前のその突然可愛いこと言うのすげぇ好き」


あたし、可愛いことなんて言えてた?
何が可愛いかなんて全然分からないけど、そう思ってもらえるのはすごく嬉しくてくすぐったい

「アリガトゴザイマス…?」

「LAにいすぎて日本語下手になったな」

違うもん。
青峰君がびっくりすること言うからじゃん…
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