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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


side火神


みさきが俺の手を離れていくのを確実に感じる。


そして俺も…


幼馴染って関係はずっと変わらねぇ。

だけど少しづつ変わっていくこともある。

今まで俺の最優先はみさきで、みさきにとって一番安心できるのは多分俺だった。


だけど今は俺の最優先はハンナでみさきの最優先は青峰。
俺の一番安心できる相手はハンナでみさきの一番安心できる相手は青峰


だけどこれは悪い変化じゃねぇ。


俺はずっとみさきに幸せになってほしかった。
相手がまさか高校時代からのライバルだなんて思ってもいなかったけどみさきを大事にしてくれて俺も安心できた。



それに俺はあいつに言われなきゃ未だにみさきを好きなんだと勘違いしてたかもしれねぇ。

みさきへの気持ちとハンナへの気持ちでごちゃごちゃになってハンナと付き合うことはできなかったのかもしれねぇ。

結局あいつが俺にいろいろなことを気づかせてくれた。



プールサイドで休憩しながら、でかいフラミンゴに乗るハンナとみさきが楽しそうにつつき合ってバランス崩して二人で落ちてげらげら笑いながら水面に出てきてまた乗ろうとして落ちてを繰り返す二人の動画を撮って日本でみさきを待ち焦がれるあいつに送り付けてやった。


(羨ましいだろ)

(みさきに触ったら殺す)

触らねぇよ

(みさきは色気皆無だな。ハンナはすげぇ色っぽいけど)

(お前バカじゃね。逆だろ。目悪りぃならシーズン前に医者行けよ)


悪くねぇよ。
一般的に言ったってハンナの方が色気ある

それに青峰は巨乳好きで、それなら桃井や進藤やハンナの方が当てはまってる。
みさきは…マジでまっ平


だけどそれでも青峰がみさきに色気を感じてて抱きてぇって思うのは恋心があるからで、それを我慢できるのはみさきをすげぇ大事に思ってくれてるからでもう俺がみさきを心配してあれこれする必要はねぇ。


ムカつく奴だけど、俺にとって青峰の存在はめちゃくちゃありがてぇ。


みさきを大事に思う気持ちに変わりはねぇけどそれは恋じゃなくて家族と変わらねぇ愛情

ハンナは女として愛してる。


結局青峰がいたことで全部気づかされて綺麗に収まらされた感が拭えねぇけどそれでもいい。


あ、でもやっぱムカつくわ。

バスケだけは負けねぇぞ…
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