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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


『あ!おい‼それ俺のTシャツじゃんかよ‼』

『うん。ちょうどいいから借りるね』

自分のTシャツだと袖とかも短いし日焼けをしないように着るなら肘まであるこの無意味にでっかいTシャツがいいし、これならあたしの貧相な体を太ももあたりまで隠してくれるからハンナと同じ水着でも大丈夫。

『みさき可愛いわね。あたし男物着ても結構普通の丈なのよね。そういうのちょっと憧れるわ』

『ハンナは背が高いから。だけど横はぶかぶかでしょ』

『そうね(笑)』

ハンナも結構華奢な方だけど胸はある…

なんで…?

美緒もそうだしさつきだって、手脚もウエストも細いのにみんな巨乳。

『だけどみさきはなんか可愛いのよね。そういうの普通にやるからきっとダイキは堪らないわよね』

『青峰はちょっとおかしんだよ。こんなに色気のねぇ奴みさき以外に見たことねぇわ』


ハンナの最後の言葉が嬉しくって勝手に緩む頬を引き締めるのに自力は必要なかった。
予想してたとはいえ少し遅れてきたストレートパンチにあたしはノックアウト寸前。

何とか立ち上がって反撃しないと…


『うるさーーーーい‼‼‼‼自分だって全然かっこよくないじゃん‼青峰君はすっごく優しくてかっこいいのに大我なんて全然じゃん。前は優しかったけど今は意地悪ばっか言って‼前からかっこよくないのはすこーしも変わらないけど‼‼』

『うっせぇ‼余計なお世話だ‼‼甘やかすんじゃなかったぜ』

『ふんっ。あたしがお色気ムンムンになったら謝らせてやるから』

そう。あたしの巨乳計画は長期戦。
いつか絶対見返してやる。

『ダメよ‼ミサキに色気感じられたらあたしが困るわ。ミサキは可愛いままでいて。それにダイキはみさきのこと色気がないなんて思ってないわ』

『ハンナ…優しすぎ』

『だけど、タイガはかっこいいわよ?』


ごめん…それだけは本当に分からない。

大我とかパパをかっこいいって言う人は結構いっぱいいるんだけどあたしには全く分からない。


あたしは青峰君しかかっこよくない。

バスケしてる時が一番かっこいいって思うけど普通にしてる時もすっごく優しくてかっこよくて寝てても起きててもかっこいい。

とにかくあたしはかっこよくて優しい青峰君が大好きなの。


『デレデレの顔してんじゃねぇよ。何考えてんだ』

『ッ‼…うるさいッ‼』
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