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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


病院を出て家に戻ると大我とハンナがプールで遊んでる。


あの二人、ほんとプール好きなんだから…


『お帰り。どうだった?』

『太ももも肋骨ももう大丈夫。予定通り明後日日本に帰る』

『おめでとう。寂しくなるわ』


プールサイドにある氷の解け切ったデキャンタと炭酸水のボトルを交換するとハンナがプールサイドに腕をかけて長い脚で水面をぱちゃぱちゃやって遊びながら少し寂しそうにする顔がすごく綺麗で人魚みたい。

『ちょっとハンナそのままでいて‼すぐ戻るから』

小走りでリビングに戻ってスマホを持ってプールサイドに戻るとハンナにあれこれポーズをさせて写真を撮りまくった。

今日のビキニはこの間一緒にネットで買ったマルチカラーのビキニでスパンコールがきらきらしてて本当に人魚みたい。


『何やってんだよ。有料だからな』


あたしとハンナが仲良くしてて自分だけほったらかされてるのが寂しいのか大我ががこっちに来るから大我とハンナの二人の写真を撮って送っておいた。


『あたしが撮影代もらう側でしょ。大我の場合は』


スマホを置いてプールの中に脚だけ入れて悪態をつくと大我がニヤリと笑って…









_______






バッシャーン‼‼‼‼‼‼



プールに引きずり落された。



『ちょっとー‼‼‼‼‼服びちょぬれなんだけどー‼‼‼』

『あははははは‼‼ざまぁみろ』


あぁ…やられた…
ムカつく。


『タオル使って。どうせ濡れたならみさきも水着に着替えて遊ばない?』


もうびしょ濡れだからこのままでもいいかもって思ったけど服のままだとショートパンツが脱げそうだし日焼け止めも塗らないとマズい。


『じゃあ着替えてくる』


びちょびちょのままプールから出てハンナのタオルを借りて部屋に戻って水着に着替えた。

ハンナと同じ水着なんて恐れ多いし全く違うものに見えてしまうのはきっと気のせいじゃない。

あたしを見た大我がなんていうかなんてもう確定してる。

“お前、マジで色気ねぇな”でしょ。
ムカつく

自分だって全然かっこよくないくせに。


日焼け止めを塗りたくって水着の上から大我の置いて行った白いTシャツを着て準備完了。


大我とハンナに脚の傷を見られることに既に抵抗は感じなかったから、傷は隠さずに新しいタオルとローブを持ってプールに戻った。
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