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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


『それからね、これは先のお話。もし子供を望むならもう少し体重がないと難しいわ。意識のない時に痩せてしまったことは分かってるけれど、普段から40キロを切らないように工夫できるといいわね』


『はい。分かりました』


先のことは分からない。

だけど後悔をしないために今の行動を決められるのは自分しかいない。



アメリカにいた時はしょっちゅういろんな人から“痩せすぎ”だって言われててものすごくコンプレックスだったのに、日本で仕事をするようになってから痩せていることを羨ましがられることが増えたせいか心のどこかでこのままでも別にいいと思ってる自分がいた

だけど将来の為にも少しは体重を維持したい



きっとあたしは青峰君と付き合う前なら子供を産むかもしれないなんて事すら考えずにいた。

避妊も妊娠も自分には全く無関係なことだって思ってた


だけどもし青峰君がずっとあたしを好きでいてくれて、結婚してもいいって思ってくれる可能性が少しでもあるなら未来の選択肢をきちんと残しておきたい


『日本に戻っても元気で頑張るのよ。また顔見せて頂戴ね』

『はい。先生もお体に気を付けて』


最後にしっかりとハグをしてくれて診察室を出るとママが座って待っててくれた



「お待たせ」

「なんだって?」

「うん。ピルは飲めることになったから今日もらって帰って来月の生理から飲む」

「きちんと病院に行くのよ」

「分かってる。3か月に1回必ず行く」


アメリカではピルの普及率も高いし入手も簡単でネットで買う人も多い

だけどピルも薬であることに変わりはない。
きちんとお医者さんに判断してもらうことで安全で有効に使えるんだって思ってる


「約束よ。真太郎君とか玲子先生に確認するわよ」

「お医者さんは守秘義務があるの。身内だからって診察の内容はペラペラ言えないの」

「全く。そんな事どこで覚えてくるのかしらね。可愛くないわ」


可愛くないなんて言いながら笑ってあたしの肩をぎゅっとしてくれるママはあたしを愛してくれてる


「ママ。愛してる」

「ママも愛してるわ」


ほらね

絶対にそう言ってくれると思った


「産んでくれてありがとう」

「ママが産みたかったのよ」

本当にいつもいつもありがとう
ママはいつだってあたしのことをすごく大事にしてくれてるって分かってるからね
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