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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


支度を整えて診察室に戻ると先生があたしを見てにっこりと笑ってくれた。


『お疲れ様。気分は悪くないかしら?』

『ありがとうございました。全然悪くありません』


いつもは涙と吐き気で不快でしかない検査後も今は落ち着いていた。
あの内診台に乗らなくていいことと先生と看護師さんがすごく優しくてずっと声を聞けていたから、不思議と安心できた。


『じゃあいくつか質問をしていくわね』

『はい』


診察前に書いておいた問診表に目を通しながら先生がチェックをしていく。


『そうね…出血量のコントロールはどのお薬でも変わらないわ。避妊を望んでる?』

『えと…よく分からないです…でも今妊娠するのは困ります』

子供ができるような行為はしてないしすぐにできる気がしてないから避妊云々は何とも言えないけど、もし仮に今妊娠したとしてもあたしは喜ぶことはできない


『できるだけホルモンが低いものをと思っているんだけど…避妊を確実にしたい場合と避妊目的ではない場合では少し処方が変わってくるのよ。確率的には99.9%か98%かって程度なんだけど…どうしたいかで決めてもらいたいの』


そう言われると難しい…

絶対にそういうことをしないのかと聞かれれば確実なことは言えないけど今すぐにと言われてもそれは絶対に無理


『容量の違いで副作用ってありますか?』

『飲み始めの頭痛や吐き気はホルモン量が多い方が出やすい傾向にはあるわ。だけど一般的にそれは2週間程度で治まってそれ以上続くようなら一度病院に来てもらうってことは容量が少なくても変わらないわね』


そっか。
だけど初めて飲むならやっぱり副作用のリスクはできるだけ回避したい。


『容量少ないのでお願いします』

『それじゃあそうしましょう。いずれパートナーと行為をすることになったら別の避妊をするか、お薬を変えるってこともできるわ。3か月ごとの検診を必ず受けるのよ』

『はい。ありがとうございました』


あたしの診察結果はすべて日本の真太郎の病院と共有される。


今はネットでも気軽にピルを手にすることはできるけど、血圧の上昇や血栓のリスクを自分で判断することはできない。


どれだけ嫌でも3か月ごときちんと病院に行って検査をしてもらって自分を守りつつママにも安心してもらいたい
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