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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


side青峰

2回目の搭乗のアナウンスが流れて出国ゲートに向かうために立ち上がった。


「じゃあ行くな」

みさきに向き合って頭を撫でると、唇をぎゅっと噛んで少し赤い目にみるみる涙が溜まっていった。

それでも俺の目を見て頷きながら少し唇を開いて言ってくれた

「うん。…リハビリ…頑張ってね」


それだけ言うと目に納まりきらなかった涙がこぼれてみさきの頬に流れた。


みさきが泣いてると勝手に体が反応する。


距離を1歩詰めて抱きしめると鼻をすする音がして強く俺を抱きしめてくれた。

どんな状況であれ、みさきを抱きしめられることも抱きしめ返してもらえることも幸せだった。


「みさき、無理すんなよ」

「うん」

「俺も連絡するから、お前も連絡しろよ」

「用事なくてもいい?」

「当たり前だ」

「さつきたちによろしくね」

「あぁ。お前も早く帰って来いよ」

「うん」

「今度は忘れんなよ」

「もう忘れない」





「愛してる」

「…いっぱいだいすき」


涙声でもちゃんと言ってくれるみさきが可愛くてしょうがねぇ。

3回目の搭乗アナウンスで体を離してみさきがくれたネロの昼寝友達と一緒にゲートをくぐった。



一緒にはいられねぇけど、みさきのくれたものがあるってだけで少しだけ寂しさが和らいだ。

みさきの匂いがはっきり残るこいつは、ネロにくれてやる前に俺が使う。


今度LAに来るときこいつと一緒に来てそしたらネロに使わせてやる。




その犬と座席に座って隣に置くと、いまにも閉じそうな目で俺を見てる気がしてみさきと重なった。

無理をしてでも起きてて次に見た時には寝てるみさきを思い出して不意に笑いがこみ上げて口元を手で隠した。


みさきには遠く及ばねぇけど、今夜はこいつと寝るか。


抱き枕と寝るなんてガキみてぇだし、普段から一人で寝るのが当たり前で、それが快適だった俺には考えられねぇことだったのに、昨日みさきと寝たせいか一人で寝る機内は何となくつまらねぇような気がした。




離陸する飛行機の窓から外を見下ろすと、少しずつ夜景が広がり始めててその中のどこかにみさきがいると思うだけで俺はなんだって頑張れる気がした
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