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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


何度も自分に言い聞かせるのに口を開いたら言葉と一緒に涙が流れてしまいそうで口元を何度も引き締めた。


ちゃんと頑張ってって言わなきゃ…

気を付けて帰ってねって言わなきゃ…


込み上げる寂しさと涙が邪魔をして言葉にできなくて膝においた手にぎゅっと力を入れて深呼吸すると青峰君が優しく手を握ってくれた。


「着いたら連絡するな」

「うん…気を付けて帰ってね」

「気を付けるのは俺じゃなくてパイロットだ(笑)」

「もうっ!そういうことじゃないの(笑)」


青峰君が笑って返してくれた言葉が予想外でついつい一緒になってあたしまで笑っちゃった。

寂しいって気持ちは変わらないけどさっきのように涙を必死で堪えなくてもよくて自然と笑うことができた。

「やっと笑ったな」

「え?」

「昨日から泣きそうな顔ばっかしてたから、帰る前にお前の笑った顔が見れてよかった」

優しく笑ってあたしを撫でてくれる手は相変わらずあったかくて大きい。


あたし…そんなに顔に出してた?
あんまりそういう顔しないようにって結構気を付けてたのに…

青峰君を誤魔化すことはできない。


「ごめんね…また会えるって分かってるんだけど…やっぱり寂しいなって…」

「お前がそう思ってくれんのすげぇ嬉しい。それに俺も同じだ。
…けど手術に送り出す前よりずっとマシだな。手術室に入っていくお前を見送った時が今までのどんな瞬間よりも怖くてキツかった」

青峰君の手に力が入ってあたしの手をさっきよりも強く握ってくれた


あの時もし何かあっても悔いが無いようにしようって思ってたけど、きっとどんな言葉を言ってもどれだけキスをしても後悔しないなんてできなかった。

もっともっと青峰君と一緒にいたかったって絶対に思ってた。


「ホント…最初からこんなでごめんね。ご心配おかけしました」

「お前のせいじゃねぇんだから謝らなくていい。それにこの1か月ちょいお前と一緒にいられて色んなお前が見れてすげぇ楽しかった」


あたしも青峰君とたくさん一緒にいられてすっごく楽しかった。
ずっとこのままでいたいって思うほど居心地がよかった


「わがまま放題して困らせてごめんね」


自分が悪いのにふてくされるあたしをいつも青峰君は撫でてくれて味方になってくれた


「今回は特別許してやる(笑)」


ホント…優しすぎ…
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