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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


空港までの30分はあっという間だった。


会えるのを待つのとバイバイまでのカウントダウンとどうしてこんなにも時間の体感が違うの?


全員で空港に入ったけど国内線のパパと国際線の青峰君ではカウンターが違う。

「青峰君、本当に世話になった。リハビリ頑張って」

「はい。司サンも仕事気を付けてやってください」

青峰君はなぜかパパを司サンって呼ぶようになった。
そしてママのことは泉サン。

「大輝君、本当にありがとう。また遊びに来てね、いつでも歓迎よ」

「ぜひお邪魔させてください」

そっか…青峰君の新しいお家あたしの実家と近いんだっけ。
場所はちゃんと知らないけど9月には住めるようになるって言ってた
だけど…うちの実家なんて全然楽しくないでしょ…

「ちゃんとプレマッチに間に合わせろよ。8月の仕事でな」

「あぁ」

大我と青峰君は同じチームに移籍したから仕事が被ることも結構あるしバスケでは常に一緒に行動することになりそうって言ってた。

言葉は少なくてもきっとお互いにいろんなことを分かりあってる二人が羨ましかったりもする。


『ダイキ、ミサキをよろしくね。またこっちでね』

『あぁ。火神の子守は大変そうだけど頼んだぜ』


あっという間に仲良くなったこの二人も笑ってハグしてて3人は生活拠点も同じだしハンナにとって二人はきっと心強い存在になってくれる。



「じゃあママはパパのお見送り行くから」

『俺もそっち行く。青峰なんてどうせ日本でも会うし』

『あたしもパパさんの方に行くわ。ダイキには別にお世話になってないもの(笑)』

ハンナの冗談にみんなが笑ってあたしと青峰君以外は全員国内線ゲートに行くことになった。


「みさき、無理するなよ。ハンナのことはパパに任せておけ。仕事頑張れよ」

「うん。でもパパは来週も帰ってくるんでしょ?」

「来週は無理だな。ハンナの件早急にケリつけておきたい」

「そっか。お願いね」


パパと少しの会話を交わしてハグとキスをして国内線カウンターに向かう4人を見送って青峰君と二人になった。


出発まではまだ時間がある。


泣かない…


泣いたらきっと止まらなくなってしまう。


日本で会えるから、ちゃんとこっちで休めば8月にはあたしだって日本に戻るんだから、ほんの少し離れるだけ。



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