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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


「……き……み……き」

青峰君の声だ…




ぐっすりと眠るあたしの耳に大好きな優しい声が聞こえてきて少しずつ眠りから引き上げられていく。


「みさき、起きれるか?」

低くてあたしを落ち着かせてくれる声がはっきりと聞こえて目を開けると青峰君があたしのベッドに座って頭を撫でながら起こしてくれていた。


「もう時間?」

「あぁ。あと30分したら空港に送ってもらう」

「起きて用意する」

「具合悪りぃなら無理するな」

「大丈夫だよ。お見送り行きたい」

本当はお見送りなんてやだ。
行かないでほしい


だけどバスケの邪魔は絶対にできない。
このリハビリがうまくいけば青峰君の活躍をたくさん見れる。


離れるのは寂しい。
でも昨日の夜青峰君が言ってくれたことがお守りみたいに心の中にはっきり残ってて不安はなかった。

すっごく大好きで、今までにたくさん青峰君って人がどんな人なのか見れたからあたしは信じられる。

知らないことの方がまだまだ多いけど、ゆっくり知っていきたい。


「じゃあ、用意できるまで下にいるからなんかあったら呼べよ」


優しく笑って頭を撫でてくれるのはもう何度もしてもらってるのに今日の声は特別優しく聞こえた。


「うん。用意したら下に行くね」

あたしよりもずっと背の高い青峰君を見上げて返事を返すとぎゅっと抱きしめて背中を撫でてくれた。

あたしの好きな寝起きの背中なでなで。

大きくてあったかい手が気持ちいい。
硬くて広い胸があったかくて青峰君の匂いに包まれるこの幸せを次に感じることができるのはきっと8月。


それまでにはもう少し抱き心地よくなっておくからもっともっとぎゅってしてくれたら嬉しい。


青峰君に手を回してぎゅっと抱き着くと小さく息を吐く音が聞こえた。


「手術よく頑張ったな」

「ずっと一緒にいてくれたおかげだよ。本当にありがとう」


今までちゃんと言ってなかったお礼をやっと落ち着いて言うことができた。

パパたちにもきちんと言わなきゃ。


きっとこれは一生かかっても返すことのできない恩
だからせめて返せる分だけはお返しさせてほしい。


あたしはたくさんの人に助けられて青峰君の暖かい腕の中に戻ることができました。

生きていて本当に良かったと心の底から感じた。
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