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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


side泉


恋愛を避けてた娘が選んだ男の人はNBAの超人気選手でゴシップ王だった。

初めて彼がみさきをうちに送り届けた時、猛烈な怒りを感じて彼を冷静に見て判断することができなかった。

あの時彼の方が余程冷静で落ち着いていた。

きっとあの時だって彼はみさきを今と変わらずに愛しそうに見ていたんだと思う。

だけどあの時のあたしにはそれを見る余裕がなかった。


とにかくみさきを傷つけられないように守らなければいけないということだけが頭を支配して、彼にとんでもなく失礼なことをたくさん言ったような気がする。


帰り際にみさきではなくあたしに向かってみさきを愛してると言った彼は本気だった。


みさきがあたしたちには何も言わずシカゴで試合を見た日の夕方のテレビで彼が試合終了直前に決めたミラクルなゴールと終了後に女性を抱きしめたことが大きく話題になった。

テレビに写ったカットでは相手は彼の体に隠れていて全く見えなかった

言わんこっちゃないとその時思った
やっぱり彼はみさきのことは遊びだったのだと思った
やっぱり彼に任せたのは間違いだった

私は次の日にSNSで流れた画像を見るまでその相手がみさきだということは一切知らなかった


彼が試合後に抱きしめたのはみさきだった



そして今回の手術で見た彼の姿にあたしも司ももう反対などできる要素は何も残っていなかった。

あの時彼の言った「愛してる」って言葉は出まかせでもパフォーマンスでもなく本心だった。


謝らなくちゃいけないわね…


「最初に会った時、キツイことを言ってごめんなさい」


「いえ…あれは俺の行動の結果です」



何も言い訳しない彼の潔さが余計に彼をいい男性だと思わせてくれた


みさきはたいちゃんがNBA選手だってこともあって相手がNBA選手だってことはきっと恋愛とは全く関係なかった。
だけど彼はどう思ってるのか知りたかった

「こんなこと聞いたらすごく失礼なんだけど…みさきが大輝君がNBA選手だから好きになったとは思わないの?」

「みさきに好きでいてもらえんなら理由なんてなんだっていい。NBAの俺が好きなら俺は1日でも長くNBA選手でいます」


彼の言葉に嘘もごまかしもなかった

だから今度は私が頭を下げる番




「娘を、宜しくお願いします」
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