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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


side司


泉が妊娠に気づいたときも朝食を食べようとした時だった。

すぐに子供は欲しかったけど、2度の流産で自分に原因があるかも知れないと泉はかなり落ち込んでいた。
どちらも初期の流産ではっきりとした原因は特定できなかったが、そう簡単には割り切れなくて、子供のことを考えすぎるのはやめようという話をした矢先だった。


だから、みさきのあの姿を見た時にもしかしたらそうなんじゃないかという考えが頭に浮かんでつい感情が表に出てしまった。


別に結婚に反対ってわけじゃないが、付き合ってるのを知ったのもつい最近だったからいきなり子供ができたといわれても親として複雑で素直に喜べないし、ましてみさきは手術を控えていたんだからその辺はきっちりして欲しかった。


泉がみさきのところにお茶を持っていくって言った時、青峰とどういう話になってるのか聞いてくるように言っておいた。

大我が戻ってすぐに泉もみさきの部屋から戻ってきたと思ったらケラケラと笑って俺を見てる。


「笑ってる場合じゃないだろ!どうだったんだ」

「司、残念だけど、まだおじいちゃんにはなれないわ。みさきは本当にただの貧血よ」

「言わないだけかもしれないだろ!」


確固たる証拠もないのに、はいそうですかなんて引き下がれるわけがない。
まだ笑っている泉を少しにらんで問い詰めると泉に睨み返された。


「あのねぇ…みさきが違うと言えば違うの。それにみさきと大輝君はまだ付き合って1か月くらいなんだから妊娠してたってつわりなんて出るような時期じゃないわよ」


「おじさん、みさきは妊娠なんてしてねぇ。俺もまさかと思ってあいつに聞いたけど100%あり得ねぇ」


泉にも大我にも言われてしまえば引き下がるしかない。
それに大我が100%ないって言い切るということも泉が違うと言い切ることもこの二人はきっと確証があってそう言ってる。


信じるしかないな…


「分かった。でも万が一…」


「「絶対ない」」

"万が一みさきが妊娠していれば責任はきっちり果たしてもらう"

俺が言い切る前に二人に強く否定されて続きの言葉は言えなかった。




青峰が病院で俺に言ったことはすぐに実現できることじゃない。
だが、あの男ならきっと約束は果たす。


我が娘ながらいい目を持ってたと褒めたくなった。
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