第6章 take off
好みもわからないしプレゼントなんて買えないし買っても渡せないって何度も言ったのに…
結局いつもの百貨店の駐車場にいる
青峰さんにあげるのが嫌なんじゃなくて何をあげたらいいのか全然分からない
こんなに緊張して自動ドアをくぐるのは初めて
なんだけど…
わぁ♡
限定のパレット今日発売だ
仕事用はあるけど、自分用も欲しいな
やっぱ今年の秋って絶対くすみっぽいゴールドがくると思ってたんだよね
マットなボルドーリップと合わせたら絶対アンナさんに似合う
入った瞬間に目の前に広がるコスメカウンター
さっきまでの緊張なんてもう忘れちゃって足は自然とそっちに向いた
「「み〜さ〜き〜」」
「今日は化粧品じゃなくて大ちゃんのプレゼントでしょ‼」
「コスメは後‼」
怒られた…
体の方向を二人に変えられてエスカレーターに乗せられると、コスメカウンターが小さくなっていく
そしてさっきと同じようにものすごく緊張する
色んな海外ブランドの揃ってるフロアで降りて、端から見て、キャッキャと楽しむ二人を横目にあたしはもう頭が真っ白だった。
「わ!これ涼太に超似合いそう。ハワイでおソロしよっかなー」
さっそく何か見つけた美緒は店員さんにキープを伝えてる。
黄瀬君の夏休みは世間とはずらして取るから美緒もそれに合わせてる。
日本だとどこに行っても人目があるから今年はハワイに行くみたい
「テツ君名刺ケースが古くなってきてるって言ってたからプレゼントしようかな♡」
さつきもルンルンで黒子君へのサプライズプレゼントを選んでる。
今日さつきの首に光ってる華奢なネックレスは黒子君がサプライズで贈ってくれたものらしく、色白のさつきにすごく似合うピンクゴールドの華奢なデザイン
美緒もさつきもホント可愛い。
仕事の時はキリっとしてる二人のこんなにかわいい姿を見れるのはやっぱり友達の特権だよね。
美緒は普段は意地っ張りなくせに、黄瀬君がいない時はいつも涼太涼太って言ってるし、さつきは黒子君がいてもいなくてもテツ君テツ君って言ってる。
二人は可愛いし一途だしお仕事もすごく頑張るし
本当にいい彼女だと思う