第6章 take off

「てかさー…みさき、これ何?」


ソファからいつの間にかいなくなった美緒があたしの機内持ち込みバッグからあの雑誌を出してみてる

ゲッ‼‼‼‼‼‼

絶対見られたくなかったから見えないように入れておいたはずなのに！
なんで出してるのーーーー‼‼‼‼



「青峰さんとこみんなで読もうよ！」

美緒…楽しそうだね…


誰か助けてはいただけませんか？

「あっ…あああたしはっ見ないよっ!だって大我の見るために買…「へーこの大ちゃんちょっとかっこいいじゃん」


無視された…

普通に二人で見てる



「青峰さんってちょー腹筋割れてるじゃん！」

「なんで大ちゃんこんな無表情なのー」

「でもこれはかっこいいでしょ。まぁ涼太には負けるけど」



あたしも見たい

けど見たら内容も読まなきゃいけないし
どうしよ


「ほらみさきも見てみなよ。これなら服着てるからさー」


ちょっとだけ…
写真だけ


内容は読まないよ‼

自分に言い聞かせて心の準備をして雑誌を開く二人の間からちょっとだけ覗き込んだ









かっこいい…
本物もいいけど写真もめちゃくちゃかっこいい



好きになる人、完全に間違えた…




「……き…さ…さき！ちょっと!!!みさき！！」

「はい?」

「見惚れすぎ」

「違うよ！見惚れてない！寝てたの。ちょっと寝ちゃっただけ」

寝てない…
見惚れてた

多分バレバレだよね

だけど、本当にかっこいいんだもん









あたしがこんな風に誰かを好きになって友達とそのことを話すなんて少し前までは考えられなかった。


「明日はお買い物行かなきゃね！」



まさか本当にプレゼント買うの⁉



無理だよー…