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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


リビングにはまだちょっとムスッとしてるパパとご機嫌のママ。

青峰君はパパの顔を見たせいか、ちょっとだけ顔をピクッてさせたけど、ママの淹れてくれた紅茶を飲みながら大きく息を吐いて、あたしをちらっと見てからパパをまっすぐ見て切り出した。


「急ですみませんが、今夜泊めていただいてもいいでしょうか?」

「もちろんよー!ねっ?司」

「あ…あぁ。構わない」

「今お客様用のベッドシーツ全部クリーニングに出しててないからみさきと寝て頂戴ね」


それは嘘じゃん
ハンナしか泊ってないんだから
しかもシーツはいつもうちでママが洗濯してるでしょ


「はい。世話になります」

「朝はゆっくりしててもらって構わないわ」

「はい」


青峰君はうちのパパとママと話すときはいつも敬語だけどなんか聞き慣れない。

CEOとの会食の時もそうだったけど、きちんとTPOに合わせて言葉や服装を整えられるのって大人の男の人って感じがしてすごくかっこいい。

でもうちの両親には別に敬語じゃなくてもいいんだけどね



パパたちにおやすみを言ってから、自分の部屋のバスルームで交代でシャワーをして、久しぶりに青峰君の髪を乾かした。


「伸びたね」

「あぁ。日本に戻ったらまた切る」


青峰君は髪が伸びるのがものすごく早くて、日本を発つときに切ったのにもう元の長さに戻ってる。

少し長いのもかっこいいけどあたしは短い方がかっこいいと思う。

「そーいや俺の髪切ってくれたヤツ、お前のこと知ってた」

「え⁉うそ。なんで⁉」

美容師さんの知り合いはいないことはないけど多くはない。
あたしはメイクが主だから美容師さんとは少し違ってるし、そもそも日本の美容学校は出てないから知られてるってことがびっくりだった。

「お前のメイクがすげぇうまいって。そいつは男だしメイクやる奴じゃねぇけど、顔も出さねぇお前を知ってたってことは、お前がその腕一本で今までやってきたってことを証明してる。復帰が少し遅れたって仕事はなくならねぇよ」


意識を取り戻すまでに時間がかかったことや、記憶が飛んでたことで、8月からは少しずつ仕事を再開しようと思っていた予定が、そうはいかなくなってあたしは少し焦ってた
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