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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


「あんときはこれ食いっぱぐれただろ?」

「うん。でも今思えば食べられなくてよかったのかも」

だってきっとあのコーヒーのことがなければ青峰君と目が合うことなんて絶対になかったから。

「すげぇ軽くて引っ張りすぎちまった」

マスカットをあたしの口に入れながら、あの時のことを思い出してるのか少し笑ってる。

地面に落ちてしまったケーキとマスカット。

だけど、今こうやって大好きな人にマスカットを食べさせてもらえてるなら、1年前の食べられなかったことなんて全然なんてことない。


むしろ食べられてたらあたしはこんな風になってない。


マスカットを食べてキスをして、流星群の時間がとっくに終わってるのにあたしたちはずっとバルコニーにいた。



明日は青峰君を日本にお見送りしなきゃいけない。


ネロ君だってご両親だって待ってるって分かってるのに、離れるのが寂しくなって大我のおうちに寝に帰っちゃうのが嫌になる。



だけど帰らないでなんて言ったら困らせちゃうってことも分る。


下で楽しそうにするハンナと大我を見て、明日も一緒でうらやましいって思ってると大我が突然上に話しかけてきた。


『今日ハンナ連れて帰るわー』

『え!?ハンナ連れてっちゃうの!?』


ハンナまで連れていかれたらあたし一人じゃん…
ちょー寂しい…

『青峰いんだろ。今日は俺がハンナ連れて帰るから青峰はお前が泊めてやらなきゃ野宿か未完成の家の床だな』

『じゃあそういうことだから。少ししたらタイガのおうちに行くわね』


あんな嬉しそうに言われたらいかないでなんて言えない…

ママも泊めてあげればいいっていつも言ってるから親に何か言われるってことはないけど…
青峰君はそれでいいのかな?


「青峰君…うちでいい?」

「お前とお前の両親さえいいって言ってくれんなら泊めてもらう」


ママがいいって言えばうちはいいってことだから、両親は全然いいしあたしも一緒にいれるのは嬉しい。


「じゃあ泊まる用意しに大我のとこ行く?」

「あぁ。おふくろさんたちにちゃんと言いてぇから、悪りぃけど待っててもらってくれるか?すぐ戻る」


「あ、うん」


青峰君はこういうとこすっごくちゃんとしてる。
もっと適当でいいのにって思うけど嬉しかったりもする
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