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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


最初にあたしの見た流れ星は青峰君は見られなかったみたいで今度は頭を腕に乗せずに隣に寝っ転がった。

バスケット選手だし点を稼ぐポジションの青峰君の腕を麻痺させるわけにいかない。

腕がしびれて点が取れませんなんて言ったら絶対クビになっちゃう。

そんなの絶対ヤダ。


それでも青峰君とくっつきたいって気持ちはあって、ぴったりと横にくっつくとあたしの手をぎゅって握ってくれた。


明日帰っちゃうのが堪らなく寂しい。

だけどリハビリを頑張って来期復帰するのを応援したい。


頑張ってねって意味を込めて手を握り返すとあたしの方を見て優しく笑ってくれた。


「ぶどう食うか?」

「うん」


横に置いたガラスボールに入る緑のシャインマスカットを青峰君があたしの口に入れてくれた。

青峰君はイチゴをよく食べさせてくれてそれがすごく好きだった。

あたしがおいしいって言うと、ほっぺをつついたりしていくつも食べさせてくれた


「青峰君も食べる?」

「あぁ」


あたしもあーんってしたいけどそんな事言えないし、絶対ヤダって言われちゃいそうだから青峰君が食べるのを見てると、あたしが見てることに気づかれてしまった…


「食いてぇの?」

「ちが…そうじゃなくて…」

なんて言っていいか分からなくて口ごもるあたしに、ぶどうをくわえた青峰君が一気に近づいて、そのままキスするときと同じ体勢でぶどうを口に移された

すごく唇が近いところにあるまま、入ってきたぶどうを噛むと甘い果汁が口に広がっていく


こんな風に食べるなんて…

恥ずかしくてドキドキして顔がものすごく熱くなる

あたしが果実を呑み込むのと同時に重なった唇は、少し濡れてて冷たくてあたしの唇の熱さとは対照的だった


ひんやりとしてる唇なのにあたしはもう溶かされてしまいそうでお腹の中がぎゅっとしておかしくなりそう…




「すっげぇ甘い…」



ぶどうのことを言ってるんだってわかってる。

でもあたしにはこの雰囲気の方が甘くて何も考えられなくてぼーっとしてしまう


「誘ってんのか?」


分からない…

でももっとキスがしたい。


それより先は怖いのに、キスはしたくてしたくて堪らない。


「だいき…」

「ッ…今それ言うのかよ…」


ダメだった?って聞こうとした言葉は出せなかった


甘くておかしくなりそう…
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