第17章 A sky full of stars
side青峰
ハンナと火神がプールに行ったから俺とみさきは上のバルコニーでみさきの言う流星群を見ることにした。
すげぇ広いバルコニーにいくつかあるカバナの中で一番でかいのに仰向けで寝転がってみさきの頭を腕に乗せた。
「腕大丈夫?」
「左は何ともねぇから大丈夫だ」
今までこんなことしたことなかった。
腕は俺にとって1番大事な商売道具だったから腕を組んだり腕に触られたりすんのは嫌だった。
「じゃあちょっとだけ…」
「ずっと乗せてればいいだろ」
つーかずっと乗せててほしい。
ほかの奴なら絶対ぇやらねぇけどみさきならいくらでもしてたくなる。
何でもいいから触れてたい。
「ダメだよ。サタデーナイトパルシーって聞いたことない?」
「ねぇよ(笑)」
なんだよそれ。
土曜の夜の麻痺って意味だよな…
「人間の頭は4キロ以上あるからそれがずっと二の腕に乗ってたら血流を妨げて一時的な麻痺を起こすの。橈骨神経を圧迫して痺れと麻痺を誘発するの。5分以上は絶対ダメ」
色気…皆無…
知ってたけど
みさきがこういう女だってことは知ってたけどちょっとくらい甘えればいいと思わねぇ?
「詳しいな…」
「あたし、人の体にメイクするでしょ?だから人の体のことを勉強したんだけど、その時に知った雑学なの」
そういや前も妊娠してる女はすぐわかるって言ってたな
「なんでサタデーナイトなんだよ」
「その先生が言うには土曜の夜は恋人と会う人が多いからだって言ってたの。曜日関係あるんだね」
俺やみさきは曜日は関係ねぇけど世間一般なら土曜に会ってヤッてってのが多いんだろうな…
まぁみさきは多分ヤるってことだとは微塵も思ってねぇけど
「色々知ってんな」
「お話好きなクライアントさんもいるから、ちょっとネタは持ってるの。びっくりした?」
「あぁ。お前には驚かされっぱなしだ」
これは別に知識だけの話じゃなくてみさきの人生そのものに驚いてる。
いろんな経験してすげぇ大変な思いしててもそれをちっとも見せねぇ
出会った時からみさきには驚かされっぱなしだ。
「お前覚えてるか?」
「ん?何を?…あ‼流れ星‼‼‼ねぇ見た!?今シュッて流れたよ!見た!?」
飛び起きて嬉しそうに空を見るみさきは俺の話なんて聞いちゃいねぇ
みさきって感じだな