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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


お花を持ってお墓に近づくと誰かが大我のママのお墓の前に座ってる。





『あれ!?親父!?』

大我が驚いたようにそう言ってよくよく見てみればおじさんに見えなくもない。

距離があるからはっきりは見えないけど多分そう。


あたしは早くは歩けないからペースを変えられないけど、大我は驚いたように早足で近づいた。



ハグをしてる様子からあれは間違いなくおじさんなんだってわかって、こんな偶然あるんだって思わず笑っちゃった。
カナダじゃなかったの??


ハンナは突然緊張し始めたのか少し顔を引きつらせてて、パパとママはおじさんの方に走って行って、ハンナと青峰君があたしのペースに合わせてゆっくり歩いてくれてた。


あたしたちがおじさんのところまで辿り着くとおじさんがあたしにハグをしてくれた。

「手術、大変だったね…よく頑張った」

パパよりは低いけど決して小柄ではないおじさんがあたしをいつもより強いハグで歓迎してくれた。

「お帰りおじさん。あたし大我のママに会ったよ」

そういうとびっくりしたようにあたしを見てたけどにっこり笑ってくれた。

「またすぐ戻るんだ。京香は何か言ってた?」


きっと今伝えてほしいってことだよね?


こんな偶然、誰かが仕組まなきゃ絶対起きるわけないもん。
きっと大我のママがそうしたんだよね。


「ずっとずっと愛してくれてありがとう。ずっとずっと愛してる

……大我と世界で一番大切なあたしの旦那さん」


大我とおじさんを交互に見て大我のママからの言葉を伝えるとおじさんが目を覆ってしまった。


「……泣かせるなよ…」

「勝手に泣いてんだろ」

会えないことは寂しくて悲しくてもきっと今の涙は嬉しいからだって思いたい。

大我だって涙目のくせにおじさんをつついて余裕な振りしちゃって。


全員で大我のママのお墓を囲んで座って大我がお花を供えた。

目を閉じてみんなそれぞれ伝えたいことをきっと伝えてる。


あたしもそう。


伝わってるかな?


きっと伝わってるよね。


今日はほとんど風のない日だったのに、最後に大我のパパが目を開けた時少しだけ強い風が吹いた。


きっとこれは大我のママ。

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