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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


まだ安心できる状況じゃない。

それでも病院で見た時のような辛くて悲しい顔はしてなかった。


『おじさん、ありがとう』

『いいんだ。これぐらいじゃ全然足りない』


きっとパパはあの時大我があたしをずっと支えてくれたことを言ってるんだと思う。

大我は辛いことをたくさん経験して、あたしの事でも苦しめちゃったけどこれからは幸せになって欲しい。


『あたしね、手術してる時大我のママに会ったよ』

『は!?』

『大我のママ若いままですっごく綺麗だった』


その場にいる全員がびっくりしたような顔をあたしに向けて、信じられないって言ってるようだったからその時見たことをみんなに話した。


手術中も寝てる時もみんなが言ってくれてたことがちゃんと聞こえてたよって言うともっと驚かれた。


青峰君以外には言ってなかった一部分だけ記憶が戻ったことも話すと喜んでくれた。



人間の脳は不思議で、すごく記憶が混乱することもあれば前のことを昨日のことのように鮮明に覚えてることもある。


でも残された記憶はいつだって意味があって自分が生きて行く為の糧になる。

つらい記憶があるから優しさと強さを手に入れられる。
楽しい記憶があるからこの先の人生がもっともっと楽しみになる。


『大我お家決まったの?』

『さすがにまだ(笑)』

『おじさん戻るのいつ?』

『3か月後』

大我はハンナと住むお家を探し始めた。
こっちに戻った時はまさかハンナと再会できるともお付き合いするとも思ってなかったから実家に住むつもりだったけどハンナと暮らすなら新しいお家を探すって言ってた。


『家具変えんならいい店知ってる』

『後で教えてくんね?』

『いいぜ』

青峰君はあのNYで行ったお店が相当気に入ったらしく家具を全部あそこのにしたって聞いた。

でっかいカウチを買ったから家が住めるようになったら来ていいって言ってくれた。

ネロ君のためにプール付きのお家にしたって言ってプールも広く改装してるらしい。


新しい生活を始める3人をちょっと羨ましく思いながらも早くあたしも日本で仕事がしたかった
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