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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


だからパパにはちゃんと話を聞いて欲しかった。

被害に遭った時のことを正確な時系列で覚えてられる人なんて多分いない。

殺されるかもしれないって思った時は、恐怖に支配されて状況を正確に判断することなんてできない。

「それから、ハンナを急かさないであげて。きっとまだ辛くて話すのだってやっとなの」

「分かってる。パパが尋問口調になってたらお前が教えてくれ」

「うん」


パパに頭をぽんぽんってされるとあたしの心は少し落ち着いた。



ハンナがシャワーの間に昨日ハンナとまとめたものをリビングに出すとパパが目を通し始めた。


「これなら、接近禁止令はすぐ取れるな」


ぽつりと呟いた言葉だったけどはっきりと聞こえて少しだけ安心できた。


接近禁止令が出れば手紙を出すことも許されない。
州ごとに法律の差はあるけどFBIが動くってことは合衆国憲法が適用される。


シャワーを済ませたハンナとパパが挨拶をかわして、すぐに話しを聞いてくれた。


時折涙を流して、大我に背中をさすってもらいながら一生懸命その時のことを話してた。


多分見ていた人はたくさんいる。
けど証言をしてくれるかは分からない。

ジェシカのところは大きな会社だから現場にいた人たちに手を回してる可能性だって十分ある。


全部を聞いたパパが険しい顔をしていて、捜査はできないんじゃないかと不安になった。


「何とかしてもらえない?」

『捜査はできる。証拠も充分だ。より重い罪でと考えるが、現状脅迫と傷害が精一杯だ。本当はもっと厳しくやりたいが、新たな証拠や証言がなければそれが限界だ。父親の方はどうしようもない。余程会社が脱税をしていたりインサイダーをしていたりということがない限り会社自体に手を出すことはできない』


そこまでして欲しいとは思ってなかった。
とにかくジェシカだけは許せなかった。


『コテ自体も処分されていればもうないだろうがその辺も含めて捜査をする。強迫が専門のチームに伝えるよ』

ハンナがLAに引っ越してきてなければ管轄が地元警察で何も出来なかったけどパパが担当してくれるなら安心だった。

きっとこれから裁判もあったりでハンナは大変だし辛い思いもすると思う。

でも大我がいるからきっと大丈夫だよね。


『こっちの警察にもパトロールを強化させる。何かあれば遠慮なく言ってくれ』
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