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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


『パパおかえり』

『ただいま。家がにぎやかで楽しいな』

『うん!』


一人っ子だったから兄弟ってものにちょっと憧れもあって小学生の時妹が欲しいってママに言ったことがあった。

だけどそれを言うとママは泣いちゃって、パパには“パパとママはお前だけに愛情を注ぎたい。パパはみさきだけのパパでいたい”って言われた。


子供って無邪気だけどそれが人を傷つけてしまう。


ママが2度も流産してたなんて知らなかったし、あたしの出産の時のことも最近まで詳しく知らなくて残酷なことを言ってしまったんだって今となってはちょっと後悔してる


『ねぇー司もそう思うでしょ?4人ぐらいいてもよかったわよねぇ』


あはは…

きっとママもすっごく辛かっただろうけど今は元気になってくれたみたいでよかった。


『ダメダメ‼パパはあたしだけのパパなの‼』

『違うわよ。司はあたしの司よ。みさきは大輝君いるでしょ』

『青峰君はパパじゃないもん』

あたしとママがくだらない言い合いをする横では青峰君がパパにちょっと頭を下げて挨拶をしてくれてる。

「腕はどうだ?」

「明後日帰国してリハビリ始めます。開幕戦には間に合う様にやります」

「頑張れよ」


青峰君の肩をポンポン叩いてスーツを脱ぐために2階に行った。


プールにいたハンナと大我にパパが戻ったことを伝えると、大我がハンナをプールから引き上げてバスローブまで着せてあげてる。

大我ってばデレデレしちゃって。


でもハンナが嬉しそうであたしも嬉しい。

今からまた辛いことを思い出さなきゃいけないから少しでもリラックスして欲しい。


ハンナと大我がシャワーに行って着替えて降りてきたパパにあたしが思ってることを伝えた。

「ハンナの言うことを絶対に否定しないで。勘違いとか気のせいとか絶対に言わないで」

「分かってる。パパはそんなことを言うために話を聞くんじゃない。ハンナを助けたい」


あたしはあの事があった時、警察に何度も何度も本当のことを言ったのに勘違いと気のせいで片付けられて…
結局あいつは何事もなかったように人生を謳歌してる。



思い出しただけでも吐き気がして猛烈な怒りが込み上げてくる

それはあいつだけじゃなく、あたしの言うことをちゃんと聞いてくれなかった警察に対してもそうだった。
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