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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


今朝はママの機嫌がすっごくいい。

誰が見ても分かるほど浮かれてる。


ママはあたしと違って結構スカートとか履くタイプだけど今日はそのスカートの裾がクルクル回って意思のないはずのスカートまでご機嫌に見えてくる。


『みさき、ママにメイクして。すっごく綺麗に見えてすっごく若く見えるようにして。パパが惚れ直したって言う様にやって♡』

『ねぇ。ママさ、ちょっと落ち着いてくれる?先々週会ったでしょ?』

『先週会ってないから、久しぶりに会って綺麗って思われたいでしょ』


久しぶりって

呆れる…


あたしと青峰君なんて何か月も会えないのにたかが2週間で何が久しぶりよ

しかも結婚してもう33年でしょ?
どうしてそんなにデレデレできるの?


『はいはい。こっち来て』


笑ってる大我と唖然とする青峰君とハンナ。

『女優さんの…ほら、あの子、えっと…エマちゃんのメイク!』

『骨格違いすぎ。ママには似合わない。却下』

『えー!じゃあどうしよっかなぁ』

もっと自分の骨格を見て物言ってよね
エマちゃんって
歳が違うのはいいとしても、ここまで骨格が違ったら同じメイクしたって全く別物だしママの肌はバッチリ日本人の色なんだから、あの真っ赤リップはママだと浮く

『年相応に綺麗で若々しい感じにすればいいでしょ。無理して20歳以上年下の人のマネしないの』

『年相応って何よ!ママがおばさんだって言いたいわけ!?』

『そうじゃなくて。50代で20代と同じメイクは無理があるってこと。ママは綺麗だけど、20代の綺麗さとは別なの』


あたしがメイクに興味を持ったのはそもそもママがいたからで、いつもお肌のお手入れとかメイクをしてるところによく張り付いて見てた。

あたしから見ればママは綺麗だと思うし実年齢より若く見えるけど、どんな贔屓目に見てお世辞を言ったとしても20代は絶対無理。


ごちゃごちゃ文句を言うママの顔をスキンケアから始めて

ナチュラルだけど綺麗に見えるように、年齢からくるクマと少し出始めたシミを隠しつつ全体をふんわりした質感の肌に仕上げてから、シャンパンカラーのアイシャドウを少しグラデーションさせてまつげは長さを重視してセパレート


最後にうっすらチークと艶のあるリップでママを完成させた
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