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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


side火神

仕事を済ませてエージェントに家まで送ってもらうと丁度帰ってきた青峰と鉢合わせた。

「家、どんな?」

「壁紙変えてあとちょっと家具入れりゃ終わる。9月には住み始められるだろうな」


青峰の選んだ家はみさきの実家から徒歩圏内だった。

こっちは家は家具付きってのが普通だからそのまま住むのかと思ってたけど……


元々あった家具は全部処分してNYで選んだのを入れるっつーから、家にこだわりなんてねぇこいつが珍しい事すんなって思ってたら理由はやっぱりみさき。


ちょっと見せてもらった家には、うたたねが趣味のみさきが居心地よく寝れるためのバカでかいカウチとみさき好みのシンプルな家具。


「これ、みさきすげぇ好きそうだな」

「あいつが選んだから好きなんだろ」

なるほどな…
そういや2月にNYで会った時家具一緒に見たとか言ってたか


「俺も家買うかな…」

「実家あんだろ」

「いや、今は親父がカナダに出張してるからいいけど、親父がいるとこにハンナと住むわけにいかねぇだろ」


「それもそうか…つーか一緒にすむのかよ」

「どうせ二人でLAにいんなら別々にいるより効率いいだろ」

それに一緒に住めば恐怖を少しでも和らげてやれると思った


ジェシカとのことを聞いた時、みさきの事と同じくれぇ怒りを感じた。
俺を危ない目に遭わせねぇ為に距離を置いたってことを聞いた時、自分がハンナを守りたいと思った。

ずっと連絡がなくて病院で会った時、元気のないハンナを見て苦しくなって、自分はハンナがすげぇ大事だったんだって気づかされた。


同情とか可哀想とかじゃなくて
俺はハンナが好きで俺がハンナと一緒にいたかった。


「それもそうだな」

「前にお前が言ってた高揚感っての?…すっげぇ分かる」


プールでハンナを抱きしめた時感じた、体中の血が沸騰するようなあの感覚。


「だろ?」

「クッソムカつくけどお前の言った通りだな。俺はみさきじゃなかった」

「当たり前だ。みさきは俺のなんだよ」


チッ…ムカつく
すげームカつく


…でもスゲー感謝してる。


みさきを大事にしてくれて、俺に本当のことを気づかせてくれたこのムカつく男にすげぇ感謝してる。


「帰ろーぜ」

「あぁ」


青峰の新居をでてみさきの実家に向かう俺たちは意味もなく機嫌がよかった
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