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最愛 【黒子のバスケ】

第17章 A sky full of stars


午後になって青峰君は新しいお家に業者さんが来るからってことで出かけてあたしとハンナはあたしの実家でお留守番。


メイクのやり方を教えたり、日本語を教えたりしてハンナの仕事のことを少し聞かせてもらった。

『職種は変わってないの。ロスの会社で、NYにも拠点があるし、あたしの通院にも理解があって働きやすいの。打合せのない日は在宅勤務を許可してもらってる。あ、そう言えば!今度タイガの出るフレグランスのCMの現場うちも入るのよ』

『そうなの!?』

『あたし最初はタイガに会うの嫌で現場に入りたくなかったんだけど、仕事でそんな事言ってられないから……だからタイガに会うまでに少しでも傷を薄くしたくていろんな病院に行ってたの』


あの記念フレグランスは日本だけじゃなく、アメリカ、フランス、イタリアでも同時発売されることが決まっている。

日本支社だけの企画だったけど本社の方でも評判が良くて4か国同時発売になったってことは中野チーフから教えてもらって知ってた。


だけど各国のCMや広告を用意する時間は到底ないからモデルの知名度を考えてもCMはアメリカと日本だけでフランスとイタリアは雑誌広告と店頭広告だけになる。

だから撮影の現場は結構大所帯になるしいろんな国の言葉が飛び交うって言われてる。


イタリア語はちょっとできる程度だけど到底仕事にはならないだろうし英語と日本語で取り敢えずコミュニケーションを取ることになりそう。
そしてフランス語はさっぱり意味不明。
発音難しすぎて意味不明。


『ハンナってフランス語分かる?』

『まさか。ボンジュールとジュテームくらいしか知らない』

『あたしと同じレベルね。ちょっと勉強してみる?』

『そうしよっか。イタリア語は?』

『おばあちゃんに先生してもらえばきっとすぐ覚えられる』


仕事の場だから通訳は当然いるけど向こうのニュアンスが正確に伝わってこなければ無駄な時間がかかってしまう。
直接コミュニケーション取れるに越したことはない。


ママに頼んで仕事の合間にフランス語のDVDと教材を買ってきてもらって早速二人で勉強を始めた。






『ねぇ…フランス語ってさ…どこが区切り?』

『全然分かんない。しかもさなんか濁点多すぎない?』

『確かに…』

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