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最愛 【黒子のバスケ】

第6章 take off


「小さいときはもちろん親が管理してたけど、小学校に行くようになってからは学校も危険だから自分で打てるように持ってたの」


ここまでは何のためらいもなく話せた。

だけど…

これ以降は自分が二人に嘘をついてきたことを言わなきゃいけなかった

「あたし、23歳までアメリカにいたって言ってたけどずっとじゃない。3歳から5歳と……16歳の時…少しだけ日本にいた…」

最初にアナフィラキシーを起こした時は日本にいてそこで初めて真太郎のお家でお世話になって、5歳でLAに戻ってからは向こうの病院にかかってたけど高1の3学期から日本の高校に通うために帰国

「……それでその時から真太郎の病院にずっとお世話になってる」

総合病院になって以来、アレルギー分野では各国をリードする医療体制が整ってるし、アレルギーのある患者の管理に於いては国内外問わずモデルケースにされる程優れているから、LAにいても定期検査は日本で受けていた。


深く吸った息をゆっくり吐き出して、10年前に起きたことを1つ1つ話した。
そして、それ以来恋愛がずっと出来ないことを正直に伝えた



美緒もさつきもぼろぼろに泣いてたけど、あたしの為にこんなに泣いてくれる友達がいることが嬉しかった

「簡単に彼氏作ればなんて言ってごめん」

そんなこと謝らなくていいのに
だって知らなかったんだから


「嘘ついちゃって…ごめんね」

「そんな事…謝らなくていいの」


「あたしね、こんなこと話したらめんどくさいとか弱いって思われそうで言えなかったんだけどね、この間さつきが何があっても友達だよって言ってくれて、話してみようかなって思ったの」

それに黄瀬君との記事が出た時二人はあたしを全面的に信じてくれてた。


あの時信じてもらえなかったことであたしは誰にも自分は信じてもらえないんじゃないかって怖かった






「みさきだって普通に幸せになればいいんだよ」

「みさきに好きって思える人ができたら応援するから」


二人の優しさに涙が止まらなかった。

辛いんじゃない

心があったかくて、友達って存在が嬉しくて頬に伝い続ける涙を止められなかった



仕事をするために来た日本で得たのは

仕事だけじゃない



本当に信頼できる、あたしを信じてくれる大切な友達だった



二人とも大好き


だからもう少し聞いてね…
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