第16章 愛しい体温
住所を知られている家に一人でいることがどれほど怖かっただろう…
『今日からうちに泊まらない?』
『そんな…迷惑かけたくないの』
『迷惑じゃない。部屋もあるしあたしも一人でいるより誰かといた方がいいの。…あたし4カ月分の記憶が飛んじゃってて、一人だと色々と考えちゃうから』
大我も7月からは仕事だし青峰君も7月の中旬からはリハビリが始まるから7月の2週目頃には日本に戻る。
ママも仕事のある日は日中一人になる日もあった。
一人になると記憶のことを考えては落ち込んでたから誰かといられるならそうしたかった。
『そうだったの!?どうして連絡してくれないのよ‼』
『ハンナはシカゴだと思ってたし、前のメッセージでは時間が欲しいって言ってたから、待とうと思って…』
『それもそうよね。ごめんね。タイガにももう見られちゃったし、泊めてもらえたら嬉しいかな』
話はまとまった。
大我を駐車場に待たせて1時間以上経ってたから二人でカフェを出て大我に連絡を入れた。
(今日からハンナはうちに泊まることになったから今から二人で出て行くね)
(急だな。ハンナ大丈夫か?)
(あんまり)