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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


『ジェシカの父親から多額の退職金という名のお金を無理矢理受け取らされて会社は辞めさせられたわ。会社の弁護士が立ち会ってて断ることができなかった…そして受け取ったならこのことは一切警察に言わないって念書まで書かされた』


こんなこと許されない

人の顔にそんなことをしておいて、自分だけお咎めなしでのうのうと生きて行くなんて許せない。


『それに、口止め料なのか分からないけど毎月お金が振り込まれてジェシカからはこのことを誰かに言ったら人生終わらせてやるって脅迫みたいな手紙がしょっちゅう届いてる』

自分のしでかしたことを隠すために脅迫して、お金さえ払えば黙らせられると思っているジェシカに心底腹が立った。


『ジェシカは相変わらずタイガが好きみたいだから、連絡を取ってることが知れたらタイガに危害を加えられるんじゃないかって怖かった。……それに、こんな顔を好きな人に見られたくなかった…』


最後はまた涙声になってぽろぽろと涙をこぼすハンナを放っておけなかった。


『脅迫は郵便?』

『最初は自宅のポストに直接入れられてた。だけどこっちに引っ越してからはあたしの住所をどうやってか調べて郵便で届くようになった…』


なら、これは地元警察の管轄じゃない。
消印が州を超えたら管轄は連邦に移る。

一般人なら知らないのかもしれないけどあたしは知ってる。


『ハンナ。ジェシカにやったことの責任は取らせるべきよ』

『どうやって…?念書まで書かされてるのよ……それにもし警察に言ったことがバレたら、あたしはきっと殺されるわ』

『今はっきりしたことは何も言えない。でもパパに相談してみるから少し時間をくれない?』

『でも…』

『可能性があるならやってみるべきだって思うの。あたしマイアミでハンナに助けてもらったでしょ?だから今度はあたしが助ける』


あたしはマイアミでハンナがいなければどうなっていたか分からない。
あたしを助けてくれた人が苦しんでるなら全力で力になりたかった。


『迷惑かけれないわ』

『迷惑なんて思ってない。あたしも脚を手術してあと1か月はこっちにいるの。LAには一人で来たの?』

『えぇ。パパはシカゴで別の会社が拾ってくれて、あたしは一人でLAに越してきたの。まさかタイガがレイカーズに移籍するなんて思ってもいなかった…』

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