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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


記憶が戻らないまま7月になって肋骨の治り具合と脚の傷を見てもらう為に入院してた病院に来た。


真太郎達はもう帰国しちゃってたから主治医の先生に見てもらうことになってて、レントゲンを撮り終えて診断を待つ間大我と少し院内を歩いた。


青峰君はお家が決まって今日は引き渡しの日で「一緒に行けなくてごめんな」って言ってくれた。


そんなこと全然いいのに…

大我がいなくてもあたしの実家に遊びに来てくれて、ママとかおばあちゃんとも仲良くしてくれて、あたしがリハビリがてら庭を歩くときにはいつもついて来てくれてる。


「ねぇ、青峰君って彼女いないの?」

「あー。それは本人に聞いた方がいいな」

「それじゃああたしが青峰君を好きだってバレちゃうじゃん…」

「バレねぇよ。世間話みてぇなもんだろ?」

え…全然違いますけど…

世間話って言うのは“今日天気いいね”とかでしょ?


「教えてよ。彼女がいるならあたしといるのマズくない?」

「青峰がそういう適当なことしねぇってのは、お前が一番よく分かってんじゃねぇの?」

「だけど真太郎の結婚式で1年以内に彼女作るって言ってたし、好きな人いるって言ってたもん。もしうまくいってるなら邪魔したら悪い…」


彼女ができちゃうのは嫌だけど、あたしにそんなこと言う権利ない。

「あれはディナークルーズのチケットがあったからそう言っただけだ。しかもそれは今年はどうしたって無理だから紫原が彼女と行くことになった。青峰のことで気になることはあいつに聞け。あいつは誤魔化したり適当なことを言う奴じゃねぇんだから、俺を通して聞こうとするな。それはズルいだろ」


そうだったんだ…
紫原さんもらえたんだ!
これ、おめでとうって思っていいのかな?


「うん。それもそうだよね。青峰君だっていい気しないよね…うまく世間話みたいに聞けたら聞いてみようかな」

「あいつならちゃんと答えてくれる」

「うん」



ゆっくり歩いてフロアをちょうど1周歩き終わったところで院内用に渡された携帯が鳴って診察室に戻ると先生が笑顔で迎えてくれた



『激しい運動はまだできないけど、もうサポーターは外していいよ。骨はくっついてる』

『ありがとうございます!』

『1か月後は日本に戻る予定だよね?』

『はい』

『帰国したらDr.緑間のところで経過を診てもらってね』
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