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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


NBA選手はシーズンオフでも結構やることがあって忙しい。


大我と青峰君は今年は6月一杯はお休みだけど、7月から大我はお仕事がいくつかあるし、青峰君は7月中旬に始めるリハビリの為に怪我を完治させなきゃいけない。


それに青峰君はお家を探したりもしなきゃいけないから結構忙しくしてる。


そしてあたしも9月の撮影に向けて、4か月分のすっかり忘れてしまってる部分のことをさつきと美緒、中野チーフから聞いたり資料をもらったりして、こっちでもできる仕事をやってる


さつきたちに4か月分の記憶が飛んでて今あたしは3月の気分だってことを話すとびっくりして絶句してたけど、シカゴでのことを話してくれて青峰君のことをすごくからかわれた。


記憶がないとはいえ、きっと二人が言ってることは多分本当で、そんなことをしてたんだと思うと恥ずかしくてしょうがない。


それに5月にはみんなで軽井沢に行ったんだよって教えてくれたおかげで、あのメッセージのグループの意味がやっと分かったし、今回の手術をみんなが応援してくれてたんだってことも嬉しかった。


そのグループのアルバムってとこに結構写真も入ってて、あたしが青峰君の隣に座って話してる写真とか、浴衣着てみんなで撮った写真とかがたくさんあって、あたしも笑っててきっと楽しかったんだろうなって思えた


今思いだせないことは少し寂しいけど新鮮な気もして、写真を見るだけでも楽しかった。


まるで自分の知らない自分を見ているようで不思議な気分だった




外出先から戻った青峰君と大我がプールでサーフボードに乗って、バランスを取りながら二人で押しあっててすっごく楽しそうにしてる


リハビリがてらなるべく歩くようにしてるから二人分のドリンクを持ってプールサイドに出ると、青峰君がボードから落とされて水しぶきが飛んできた



「冷たいけど気持ちー‼」

「悪りぃ…濡れちまったな」


プールから上がってプールサイドに置いてあるタオルであたしを拭いてくれる青峰君は、もう見てられない位かっこいい


地黒だからなのか筋肉や筋が見えやすくて、綺麗に割れた腹筋と水がぽたぽた落ちる掻き上げられた短い髪



青峰君を好きになった事まで忘れなくてよかった



「青峰5敗な」

「うっせぇ!こっから巻き返すんだよ!」


青峰君の笑った顔が…あたしは大好きです
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