第16章 愛しい体温
みさきと別行動の間、ネロをトリミングに連れ出した。
日本に来る前から調べてた男のトリマーでライオンカットが得意らしい。
それにブログを見るとそいつの愛犬もシェパードだから扱いには多分慣れてるはずだし、飼い主が立ち会うのも許可してるからそこに決めた。
犬を変なカットにすんのは好きじゃねぇけど、日本の夏は湿度も高けぇし暑がりなネロを毛の多いままプールもない実家にいさせんのは可哀想だった。
俺がいない間も海に連れてってくれるって親父が言ってたからそうしてもらうことにしたけど、東京や神奈川の海ははっきり言って汚ねぇ。
毛を長くしたまま、洗い慣れねぇ親父やお袋に頼んで皮膚炎になることも避けたかった。
散歩がてら片道5キロをネロとゆっくりジョギングをして向かった。
「いらっしゃいませ。青峰様ですね。お待ちしてました」
慣れない場所に耳をピクつかせて警戒はしてるものの、他の犬がいることを察していて鼻を動かしながら様子を探ってる。
「ネロ君でしたよね」
ネットで予約したときに犬の名前を入れるとこがあったから入力しておいたらちゃんと覚えてたらしい。
「あぁ」
「綺麗にされてますね。普段はどちらで?」
「自分でやってる」
「そうなんですね。えーと…カットは初めてってことですけど、希望ありますか?」
「できるだけ涼しく過ごせて洗いやすいようにしてくれ」
「分かりました」
トリミングの部屋に入るといろんなデザインの写真が飾ってあって、一番多いのは得意なだけあってライオンカットされた犬たち。
ゴールデンなんか色も似てるからマジでライオンっぽい
「ネロ君は元々毛足が長いので、サマーカットすると多分普通にライオンになっちゃいますね。尻尾の先を残すか残さないかどっちがいいですか?残すと可愛いんで僕結構残す方なんですけど、ご希望でどちらでも」
「…残す方で」
「じゃあ体は思いっきり短くして首周りから顔と尻尾、あとは脚の先の部分だけ残してって感じにしましょう」
「首周りも少し切れねぇ?」
「切れますよ。結構薄くできます」
「できるだけ薄く短くしてくれ」
オーダーを終えてシャンプーからトリミング全てを見えるところでやってもらえて、ネロもプロにやってもらうのが気持ちよかったのか終わった時はすっかりトリマーに懐いてた。