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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


真太郎の説明でも、なんであたしが脚を手術したのか全然分からないし肋骨が折れた原因も分からない


説明は最後まで聞くつもりだけどそれが気になって仕方がない


『みさき、今から説明することはお前にとってにわかには信じられないことなのかもしれないが…すべて事実だ。俺が医者として、説明責任を果たすためにもきちんと説明をさせてほしい。そして説明を聞いて分からないことや不安なことがあると思うが玲子も俺もいつでも相談に乗る』


いつになく厳しい表情で硬い声で話す真太郎にあたしも緊張してしまう

肋骨が折れてるからあまり動くなって言われてたけど、もう背中が痛くてリクライニングを起こしてもらって背中をベッドに預けたまま座って聞くことにした


『まず、今は2月ではなく6月だ』


え…?どういうこと?

いきなりそんなこと言われたって…全然分からない。
だって今は2月だもん


『いいか。ゆっくり話すから理解ができなところは聞いてほしいのだよ』

理解ができないところって…

そもそも今が6月ってことをまず理解できない


『そもそも6月ってことが意味わかんない。今は2月でしょ?』

『じゃあまず記憶の確認をしよう。1月で覚えていることはなんだ?』

『1月はとにかく仕事が忙しかった。さつきたちの会社で発売する商品の仕事と年始の撮影と生放送で毎日寝る時間がほとんどなかった。それと青峰君からすっごく綺麗な時計を贈ってもらったの。あとは体調を崩して真太郎のところで点滴をした』


1月のことはすごく鮮明に思い出せた

普段だったら忘れるようなこともなぜかはっきりと思い出せた。


『次は2月だ。2月のことで覚えていることはなんだ?』

『この間NYでミスユニバースのメイク講師と審査員をしたの。そこで審査員のメイクさんが交通事故に巻き込まれて、会場に来れなくてあたしがメイクをさせてもらったの。仕事の後青峰君がNYに来てくれて、一緒にご飯食べて、次の日は仕事を少し手伝ってもらったの。それで青峰君たちからバスケの試合のチケットとフライトをプレゼントしてもらって…帰国してからは毎日すごく忙しくて…それで…』



あたしの記憶はそこで途切れてた

だけどシーズン中なら大我と青峰君がここにいるのはおかしい。

あたしがおかしいんだ…
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