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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


なんでみんなあたしをのぞき込んでるの?


しかもここ、あたしの家のベッドじゃない…


「ここ…どこ?」


「みさき、手術したことを覚えているか?」

「あ、真太郎…?どうしたの?あたし手術したの?」

「右の太ももなのだよ。覚えていないか?」


言われてみれば太ももが痛いけど、手術をした記憶は全くない。



「自分のフルネームを言えるか?」

「黒須 ノヴェンブレ・ケイトリン・みさき」

「年齢は?」

「27歳」

なんでこんな当たり前のことを聞かれるの?

「職業は」

「ヘアメイク」


「ここにいる人たちは全員分かるか?」

「パパ、ママ、大我、青峰君、真太郎。後の先生たちは分からない」



『すぐにCTとMRIの準備をお願いします』



真太郎が看護師さんにそういうと、男の先生と一緒に部屋を出て行った。


「ここがどこだかわかるか?」

「病院…かな?」


手術をしたってことは病院なんだろうし、さっきの人達はどっからどう見てもお医者さんと看護師さん。
それにあたしにつながれてるのは点滴だし、よく医療ドラマの現場で見るモニターもあるし、消毒くさい。


『胸部レントゲンとCTとMRIの準備ができました』


真太郎にいろいろなことを聞かれていたら、部屋がノックされて看護師さんが呼びにきて、あたしはベッドのまま検査に回されて、寝っ転がったままでいろいろな検査をされた。




あたしどっかおかしいのかな…


何カ所か検査を回って部屋に戻ると、今度は玲子先生がいていろんな質問の書かれた紙を渡された。


「英語は分かる?」

「あたし日本語より英語の方が多分上手に話せると思います」


玲子先生だってあたしがLA生まれLA育ちって知ってるはずなのに…
なんでそんな変なこと聞くんだろう。


質問の意味が分からなかったけど、渡された紙に書かれた質問に自分なりの回答を書き込んでいった。






「書きました」

「ありがとう。ちょっと見せてね」



にっこり笑ってあたしの回答した紙をもって部屋を出ていく先生と、心配そうな顔であたしを見てるパパとママと大我と青峰君




青峰君…?





なんで青峰君?



もしかしてお見舞い来てくれたのかな?



しかもみんな半袖って…



「ねぇ…みんな半袖で寒くないの?」

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