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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


side青峰

俺が落ちてるってことを声から察したのか、やっぱりまたかけるとか言われてそっちの方が気になる。

『いいから言えよ』

『あぁ……ちびが生まれた。お前には言っておきたかったから電話したんだ』


そうだったのか。
ずっと重かった心が少しだけ軽くなった。

みさきのことじゃねぇけど、ずっと子供を欲しがってて俺にとっては兄貴みてぇな奴だったから、無事に生まれたことは純粋に嬉しかった。


『よかったな。おめでと。名前は?』

『それなんだけど、ミドルネームにお前の名前もらえないか?』

『俺のでよきゃ全然いいぜ』


なんか…すげぇ嬉しいわ。

ミドルネームとはいえ、日本人の俺の名前を大事な息子につけてくれることが嬉しかった。



『ファーストネームはルーカスだ』

『いい名前だな。すぐには行かれねぇけど会いに行く』

『あぁ。会ってくれ。本命も連れてこいよ。付き合ってんだろ?』

『何で知ってんだよ…』


みさきと付き合い始めたことは、こっちの奴らにはまだ誰にも言ってなかったから、知ってることが不思議でしょうがなかった。

ライアンだって知らねぇことを何で知ってんだ?


『日本の空港で写真撮られたのこっちにも取り上げられて“ついに本命か”って騒がれてる。…お前、知らないのか?』

知らねぇよ…
そんなもん見てる余裕ねぇんだから知る訳ねぇだろ
つかこっちまで回ってるとか何なんだよ。


『今それどころじゃねぇんだ』

『腕そんなに悪いのか?』

『俺じゃねぇ。みさきだ』

『…何があった?』

ここまで言って何もねぇとは言えなくて、手術をしてから意識が戻らねぇまま2週間になるってことだけを伝えた。


『そんな大変な時に悪かったな。意識が戻るように祈ってる』

『あぁ』

『約束守れよ』

『あぁ』


多分こいつの言ってる約束ってのは、あの試合のときに言ったことだ。

俺はちびに会わせてもらってあいつにみさきを会わせる。


試合の後、あいつはみさきを見たけどちゃんと紹介したりしたわけじゃなかった。
だからちゃんと俺から紹介しろってことだな……



電話を切ってからみさきのところに戻って、あの時のちびが生まれたことを話した。
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