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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


sideさつき

みさきからの手術に行ってくるってメッセージが届いてから、とっくに8時間を過ぎてる。


予定時間が6時間で無事に終わってるはずなら、もう連絡が来てたっておかしくないのに…

大ちゃんもかがみんも電話にもでないしメッセージも帰ってこない。
みどりんは手術に立ち会ってたとしても、6時間で終わってるならスマホを見る時間くらいはあってもいいのに、みどりんからも何もなくてあたしと美緒の不安はピークを越えて、二人して仕事で次々とミスをしてついに中野チーフに呼び出された。


「今日黒須さんの手術だってことはあたしも分かってるし、プライベートで親交のあるあなたたちが心配でたまらないのもよくわかる。でも、このプロジェクトは社として失敗できないの。いつも通りに仕事をこなせなんて言わないけど、いつもしないようなミスを立て続けにされるのはあたしもフォローしきれない。落ち着くまで書類整理に回って」


「「はい…すみません」」



二人で何度もため息を漏らして書類整理をしながらも、ずっとっみさきのことを考えていた。

こんなあたしたちをみさきが見たらどう思うんだろ。

“どんな状況でも100%でクライアントを仕上げる”

口癖のようにこの言葉を言うみさきは、もし逆の立場だったらどうしていた?


「「ねぇ…」」

「美緒からいいよ」

お互いに同じタイミングで話しかけちゃったから、あたしは言いたいことがまだ整理できてないってこともあって、美緒に先に話してもらうことにした

「…あたしたちさ、これじゃダメじゃない?みさきが戻ってくるって信じてプロジェクト進めなきゃさ…みさきはどんな時でも仕事だけは切り離して100%こなしてたじゃん」

「あたしもそれ考えてた。あたし達が書類整理してたってみさきの状況が変わるわけじゃない。ならあたしたちはちゃんと仕事してみさきが帰ってくるって信じなきゃだめだよね」


みさきを想うなら、みさきがいない間に一緒にやってる仕事から離れるわけにはいかない。



書庫を出てチーフのところに戻って二人で頭を下げた。


「「すみませんでした」」

「仕事をさせて下さい」

「プロジェクトに戻らせてください」


「…分かった。でも今日は定時で上がりなさい」


「「はい。ありがとうございます」」


みさきが戻るって信じてあたしたちも頑張るからね!
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